第25話 安寧の崩壊

目を開けるとそこは―――知らない場所だった。


「……ここは……どこだ?」


辺り一帯がまるで怪獣の通った後のようなことになっている。


なんでこんなに瓦礫が……って、なんかこの柄みたことあるな…


そうか!理事長室だ!


確か理事長室の壁ってこんな柄してたっけな。


……え?


なんで理事長室の壁が⁉


「…何がどうなってるんだ?」


「……げて」


「え?」


「逃げて…ししょー…」


これは……リンの声⁉


どこだ?


しかし、周りを見渡しても人っ子一人いない。


「リン!どこだ!」


「ここだよ」


この声は…ヨシノちゃん⁉


声のした方を向くと―――リンを持ったヨシノちゃんがいた。


リンは血まみれになっていた。


「ヨシノちゃん⁉…リンは、大丈夫なのか?」


「ああ、こいつリンって言うのか。へ〜」


「……ヨシノちゃん、君は何を言ってるんだ?」


明らかに様子がおかしい。


「あんたがシガン・シナクか。まあいいや。4。とりあえず―――死ね」


僕の意識はそこで途絶えた。

―――――――――

「――ガン様。起きてください」


これは…ヨシノちゃんの声?


「シガン様!」


「うわっと!」


急に物凄く激しく揺り動かされたので、一瞬で目が覚めた。


「おはようございます、シガン様。」


「おはよう、ヨシノちゃん。…もしかして、もう時間?」


「いえ、そうじゃないんですけど…ひどくうなされていた様なので。」


「そっか…ありがとう、ヨシノちゃん」


しかし、あの夢はなんだったんだろう。


何か不吉な予感がする。



一抹の不安を抱えながらも、とにかく学園へ向かった。


教室に着くと、いつも通りの風景が広がっていた。


始まる前から寝ているリンに、半分ぐらいしか埋まっていない机。


本当にいつもどおり。


(あれは…ただの夢だよな)


そう自分に言い聞かせて眠りにつこうとしたとき。


「おはようっす。…少しお話いいっすか?」


不意に隣から話しかけられた。


僕は端っこの席なので、隣は一人しかいない。


もちろん―――秋穂だ。


「うん。いいよ。」


僕がそう答えると、彼女は意を決したような表情で、口を開いた。


「あの…西野春葵っていう名前に心あたりないっすか?」


「西野…春葵…⁉」


西野春葵―――僕の前世での名前だ。


しかも


僕は前世、婿入りしたため、名字が変わったのだ。


……その話は置いといて。


僕の旧姓を知っているということはやはり―――



刹那、すさまじい音と共に衝撃が僕を襲った。


僕の脳裏に、あの情景が浮かんだ。



『とりあえず――死ね』


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

こんにちは。椛みさかです。


ともかくここで物語の一区切りです(まだ終わりません)。


色々あって僕のなにかが壊れたので、ダクファンっぽくなるかもです。


しかし、『鬱なんて誰得』の信者の名にかけて、そんなことはしません。


「主人公が無双を目指す」が、この物語の本分なのです。


そこを忘れずに行こうと思います。


ただ、やはり二章と一章の内容はかなり変わっています。


多分、二章読まなくてもある程度は分かると思うので、二章を読まないというのも一つの手だと思います。


一章を好きになってくださった方は違和感しか抱かないでしょうし。


一応、三章の前に二章を飛ばした人用に、説明は入れるつもりです。









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