第24話 打ち上げ

「では初テスト終了を祝して……」


「「「かんぱ〜い!」」」


僕はヨシノちゃんとリンと三人で、打ち上げをしていた。


初のテストが無事終了したことのお祝いだ。


正直こんなことで祝う必要は無いと思うが……まあ、気にしたら負けだ。


僕はふと気になったことがあったので、聞いてみることにした。


「ところでヨシノちゃん、実技は苦手って言ってたけどどうだった?」


リンの座学を教えるのに時間を使ってしまって、あまり実技の練習が出来ていなかった。


それも僕の不甲斐ないせいなので、気になったのだ。


すると、ヨシノちゃんは天使のような笑顔(かわいい)で言った。


「いえ!今回の実技の内容は私の得意分野だったので余裕でした!」


「得意分野?」


的を破壊するのが得意分野って……どういうことだ?


「はい!少し加減間違えても人が死なないので、思いっきりぶっ飛ばせましたから!」


「じゃあもしかして、苦手っていうのは……」


「加減するのが苦手って意味ですよ?……対人戦とかだったらやばかったですね!」


「そ、そっか……」


ヨシノちゃんだけは絶対に怒らせないようにしよう……


無双のためには強敵を倒す必要もあるだろうが、なんとなく……ヨシノちゃんには一生勝てない気がする。


すると、リンが目をキラキラさせて言った。


「ヨシノさんは今回でこっち上級クラスに上がってこれそうですか?」


「ん〜どうだろう。…自身はあるかな。」


「ふぉ〜それは良かったです!こっちでも頑張りましょう!」


きっとリンにしっぽが生えていたらものすごい勢いで動いていただろう。


それくらいリンは嬉しそうだった。


「それはそうとリン。座学は大丈夫だった?」


僕がそう言うと、リンは視線を彷徨わせた。


「ま、まあ大丈夫ですよ!あれだけ勉強したんんだし!」


「それ、受ける前に言う言葉じゃないかな?……それに、試験終了後は寝ていたしね。」


あれはまさに天使の寝顔だった。


いつだったか、リンを女神と評したことがあったが、あれは間違いなく天使だった。異論は認めない。


「わ、私のことはもう良いじゃないですかぁ〜。…と、ところでししょーは座学、どうでしたか?そういえば聞いてなかったなぁって思ったんですけど。」


「まあ一通りは解けたと思うよ。見直しもしたし、よっぽどのことが無い限り落ちこぼれはしないはずだよ。」


「さっすがししょー!実技もすごかったですし、上級クラスのトップも狙えるんじゃ…」


「そうだね。まあなれたらとは思うけど……僕はやっぱりリンが心配だね。ヨシノちゃんと入れ替わりで落ちないと良いけど。」


「し、ししょー!その話は今はしないでくださいよ〜」


こうして楽しい時間は過ぎて行った。

――――

(そろそろヨシノちゃん……寝た…よな?)


今夜は最近は出来ていなかった日課をこなしに行く。


コノラノ平原に着き、日課をこなしていると、ふと前世の妹たちが思い浮かんだ。


(やっぱり…似てるよな…)


『アキホ・ニシノ』という名前。特徴的な語尾。


なにより―――あれは間違いなく秋穂の顔だった。


(次会った時は……もう一回話してみるのも良いかもな。)


そうして夜は明けていった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

こんにちは。椛みさかです。


本当は昨日の夜に出そうと思ったんですけど、この話を思いつくのに苦心しまして、今日になってしましました。


やっぱり小説を書くのって難しいですね。


つくづく思い知らされました。

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