第12話 ヨシノちゃんの闇
シガンによる簡単なあらすじ
うっかりとんでもない依頼を受けちゃったよ!
仕方ないから『上級:傀儡』を自分に使って機械作業で終わらそうと思ったけど、気づいたら知らない天井…
……え?
――――――
「あ、起きた?シガン様!」
その声の主は―――ヨシノちゃんだった。
言い方からして僕はヨシノちゃんに拘束されているらしい。
……え?何で?
僕、ヨシノちゃんになんかしたっけ?
はっ!
そんなことはどうでもいい!
「早く依ら「何言ってるのシガン様?」
何ってそりゃ…
「魔狼討伐マラソンの依頼だよ……」
「だから何言ってるの?」
は?
「……それってどういうこと?」
「そんなものとっくに終わってるでしょ。」
「へ?」
そうなの⁉
まあ『上級:傀儡』が解けてる時点でそうだろうと思ったけど!
あ、ちなみに解説!
『上級:傀儡』とは……かけた対象にいくつかの命令を出すことができる魔法。命令が達成されれば勝手に解ける。ただし、対象と術者の同意がなければ発動しない。また、かかってる間は対象の意識はなくなり、術者は常に魔力が減り続ける。上級の中では諸刃の剣の部類に入る。
「ちなみに…僕って学園に行ってた?」
「はい。ずっと寝ていましたが。」
「……そっか」
ならあの日からまだ一日も経っていないのか?
「まあそれも―――一週間前のことですが。」
「なっ!」
どういうことだ?
「全くもう…苦労しましたよ…」
「……何に?」
まさか…もしかしたら…ヨシノちゃんは…
やば「帰ってきたと思ったら体中が生傷だらけで倒れ込んだんですから」
「え?」
「せっかく一緒に風呂に入ろうと準備してたのに…無駄になっちゃいましたよ〜」
なんだ、そうだったのか…
もしかしてヨシノちゃんはやばいんじゃないかと思った僕がバカみたいだ…
そうだよな!
こんなに可愛いヨシノちゃんがやばいわけがないよな!
しかし、今更ながら。
「ねぇヨシノちゃん…ここどこ?」
話を聞いていると僕の部屋っぽいんだけど、こんなきれいな天井見たことがない。
「ああ〜ここは私の部屋ですよ!……ここでずっっっっっと一緒に暮らしましょうね…」
これは…逃げたほうがいいな…
しかし、手足が拘束されているので動けない。
…あれをやるしかないのか?
でも使ってヨシノちゃんに嫌われたらやだな…
「さて……もう一回眠りましょうか…お薬持ってきますね…」
ヨシノちゃんそう言って部屋を出る。
……仕方ない。やるか。
『初級:獄門・改』
すると、僕を拘束していた鉄輪が外れる。
「うまくいって良かった……」
失敗したら大惨事だ…
だって、今使ったのは深淵魔法なんだから。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
こんにちは。椛みさかです。
補足ですが、シガンが使った『初級:獄門・改』は、通常の『獄門』を切り分けて、範囲こそ小さいですが、一度に複数のものを破壊することができます。
なぜ、破壊のためだけに造られたため、人々が忌み嫌う深淵魔法をシガンが使えるのか。
いつか分かります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます