第8話 無双への足掛かり

地図によると、ここは「コノラノ平原」というらしい。


なんか聞いたことがあるような気もしないこともないが、そんなことはどうでもいい。


ここに来た目的は


――実践だ。


―――

僕は、光魔法が得意だ。


なぜかと言うと、代々光魔法が得意な家系だからだ。


しかし、光魔法は支援特化。


一応僕は上級の『轟雷』まで使えるが、他属性の上級魔法と比べれば威力は劣る。


ラノベでは「雑魚魔法だと思われていた魔法が実は最強だった」みたいなのがあるが、光魔法は実際弱いのでそんなことはできない。


そして僕が目を付けたのが―――自然魔法だった。


―――

ここで、自然魔法のおさらいをしておこう。


自然魔法は主に「風」・「地」・「草」・「重力」の4つに分けられる。


これらは威力が強く、使い勝手も良いが、基本的に周りのものに魔力を流して発動させるため、魔力の変換効率が良くないと、発動さえも難しいのだ。


特に「重力魔法」は、普通重力を感じるということが無いので、魔力を流すイメージすらもできなくて挫折する人が大多数だ。


他の3つは、重力魔法に比べたらマシなものの、やはり難しいので、せいぜい大工さんが地魔法で地盤を固めるぐらい。


つまり、イメージの難しさから、発動の難しさに繋がっているということである。


―――普通の人なら


―――

話を戻そう。


僕がなぜ難しい自然魔法を選んだか。


それは前述の通り、威力と使い勝手が高いからだ。


つまり無双にはうってつけ!


僕はそう考えた。


だから2週間前だろうか。


風呂の中でずっと考えていた。


どうすれば自然魔法で無双できるか。


ずっと考えているうちに自身がお湯の中に沈んでおり、息ができてなかったことに気がついた。


さすがに息が苦しかったので、顔を出したわけだが、その時に思った。


「あ、空気!」


なぜ今まで思いつかなかったのか。


風に魔力を流せて、空気に流せないことなんてない!


―――という経緯で、「空気魔法」を思いついた。


その日の夜から練習を始めたが、なんと酸素などの濃度はすぐに変えることができた。


僕は今まで「転生チートをもらっていないのではないか」と思ったが、これがチートなのか!


※主人公は何の転生チートももらっていません。


成長チートってやつかな!


※だから主人公は〈以下略〉


今は空気の濃度の全てをゼロにして、真空を創り出す練習をしている。


前途は多難だが、僕にはチートが付いているから大丈夫だ!


※何度も言いますが、主人公は〈以下略〉


何時間もやり続け、夜が明けて来たので帰って寝た。


最近はこのサイクルが多い。


まあでもこんな生活をしていたら昼間は眠くてしょうがない。

つまり睡眠時間が足りていないのだ。


なら足りない睡眠はいつ取るか?


まあそりゃもちろん―――学園だ。




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