第1話 異世界転生
ん?知らない天井だ。
比喩ではなく、ガチで知らない天井だ。
確か僕はカッパ伝説の沢で本物を見つけて……なんやかんやで頭に強い衝撃があったような…
死んだと思ったんだが…
…あれ?もしかして無事だった?
走馬灯まで見たのにな…
そういえば走馬灯って何で見るのかと言うと、今までの自分の経験から助かる方法を見つけるためらしい。
本当に助かったんだな…
さ、起き上が…れない⁉
なぜか体が思うように動かない。
しょうがない。人を呼ぼう。
さあ大きく息を吸って…
「オギャー!(誰かいませんかー!)」
ん?
んん?
んんん?
……は?
今オギャーって聞こえた気が…
気のせいだよな!
さあ、気を取り直してもう一度。
大きく息を吸って……せーの!
「オギャー!(誰かいませんかー!)」
…気のせいだよな!
なんつって。
お遊びはここまでだ…。
もしかして僕は……
って言ってる間に誰か来た。
さっき俺が叫んだからかな。
「قمامة القطط الميتة」
「オギャ?(なんて?)」
なんて言ったんだこの人。
聞き取れなかったみたいだ。
「هيا نلعب بيسبول إيسونو」
おっと。まただ。
よし。もう一回。
「تاكيشي ، إلى متى تريد أن تلعب」
うん。分からん。
とりあえずはっきりした。
どうやら僕は異世界転生したらしい。
―――――
異世界転生してから早10年。
最初は何言ってるか分かんなかった言語も理解出来るようになった。
僕のこの世界での名前は、シガン・シナクらしい。
なんか聞いたことがあるような名前だが、気にしたら負けだと思っている。
そして、この世界は剣と魔法の世界だ。
よくラノベとかで見るような世界だ。
ところで魔法を使うのにはもちろん魔力がいる。
よく創作物であるように、魔力を感じるところから始めるのだが、子供のうちは危ないという理由でそういうことができない。
魔力を感じる練習は、他者に魔力を流してもらうのがいいのだが、もちろんそんなことはなかなか許可が下りない。
なので僕は一計を案じた。
その名も「わざと怪我して回復魔法かけてもらおうぜ作戦」である。
どうやら僕が生まれた家は代々回復魔法が得意な貴族らしく、怪我をしたらすぐに掛けてもらえる。
初級の回復魔法は対象に触れる必要があるから、魔力を感じ放題だ!
ちなみにこの方法を思いついたのは1歳の時。
壁に頑張って頭を打ち付けてた時が懐かしいよ…
普通に痛いし。
しかし、これも無双のため。
これくらい安い犠牲よ!
さあ今日も日課をこなすか〜。
さあ二階の窓からレッツ〜
フライアウェイ!
ひゅーどーん!
「わーまたシガン様が落ちたぞ!」「誰か治癒魔法を!」「早くしろ!」
ほら、みんなが集まってくれる。
なんかさ、痛いんだけどもう慣れたからゆっくりでもいいんだけどね。
さ、治療が終わったら次は―――実践だ。
「おい!何をしてるんだ!早く治癒魔法を掛けにいけ!」「お前がやれよ」「いやお前が」
―――の前になんで押し付け合いになってるかを問い正そうかな……
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