第14話 新たな出会い

リハビリはしばらくの間、PT(理学療法)に通うことになった。母の好美に連れて行ってもらって。

PT初日の日、まずは太一を担当してくれる理学療法士さんを紹介してくれた。


「これから香川くんの理学療法を担当します、麻原美羽あさはらみうと言います。私も大学を卒業して理学療法士になったばかりで新米なのですが、よろしくお願いします。」


身体だけじゃなく心も弱った太一。麻原先生はそんな太一に優しく接してくれた。


「それでは香川くん、この線に沿って真っすぐ歩いてみましょう」

バランス感覚も前よりなくなっていた太一には、「まっすぐ歩く」というのも難しかった。ゆっくりと足を前に出し、まっすぐを意識して二歩、三歩と歩き出した。


「香川くん上手です!」


麻原先生は太一が一つ成功すると、すぐに褒めてくれた。今日会ったばかりの理学療法士さんなのに、太一はだんだんと麻原先生の魅力に惹かれていった。

(可愛いな~)


そしてリハビリを重ねていくうち、太一は麻原先生を一人の女性として意識するようになっていった。

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