第13話 病院に運ばれましたⅡ
それから1週間、太一は病院に入院していたが容態がよくなることはなかった。
軽い貧血かと思っていたが、相当寝不足だったみたいでむしろ良くなるどころか回復しない日々が続いていた。
そして太一の退院が決まったのはその2か月後のことだった。入院前の元気な太一と比べると身体は弱りきっていた。そう、太一は自分の足でうまく歩けなくなっていたのだった…。医師から告げられたのは
「脳性麻痺による下半身不随ですね。退院後も無理せず安静にしておいてくださいね」
太一の顔から笑顔が消えた瞬間だった。学校はしばらく休学することになった。
それからというもの、太一は普段の生活を車いすで過ごすことになった。もちろん、今までのように自分で歩けるようになるため、リハビリに通う日々も始まった。
大学入学後、親元を離れて一人暮らしをしていた太一だが、リハビリに通うことになったため母親の
亜以子も、あのできごとから自分の好きな太一が自らの足で歩けなくなってしまい、日々悲しみに暮れていた。太一が入院中の2か月間も勉強が手につかないぐらい、、、
小学校の頃に私の家で一緒に遊んでから10年以上。大学入学という形で再会した太一くん。その、好きという気持ちが簡単に揺らぐことはなかった。
(太一くんに笑顔が戻ったらもう一回告白してみよう!)
亜以子は自分の心に決めたのだった。
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