第11話 起こった異変

火曜日、この日は一限から講義が入っていた太一だが、昨晩一睡もできなかったのが響いたのか全然頭が働いていなかった。

「おい、そこの君。大丈夫かね?」

「あ、すみません!」

こんな調子で、何とかこの日の講義を乗り切った。


テニスサークルは毎週火曜日の放課後がサークルの活動時間だ。一日フラフラだった太一だが、翔輝先輩に連れられこの日もサークルに参加していた。

「よーし、じゃあ今日も練習を始めるぞー」

この翔輝先輩の一声で今日も練習が始まった。


太一に異変が発生したのは、練習が始まって一時間ほどたった時だった。



いつものように翔輝先輩から来たラリーを打ち返していた太一。そんな太一が突然その場に倒れたのだ。

これを見て、コートの反対側にいた翔輝先輩がすぐさま駆け寄ってきた。

「どうした、太一くん!」

このとき意識がもうろうとしていた俺は、先輩の呼びかけになんとか答えられる程度だった。

「とにかく、早く救急車を!早く!」

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