第5話 再会
1時間半ほどの練習を終え、この日のサークル活動は終了。片づけをして帰宅しようとしている俺に一人の女の子が駆け寄ってきた。亜以子だ。
「あの時の太一くんだよね?」
「久しぶり」
「やっぱり太一くんだ!こんなところで会えるなんてね!」
「小学校以来だね。僕は入学式の代表挨拶で気づいてたよ。亜以子ちゃんもこの大学なんだって」
「え⁉覚えててくれたの嬉しい!小学生の時一緒に遊んだの覚えてる?」
「あぁ、覚えてるよ」
「えー嬉しい!大学でもよろしくね!」
「うん、よろしく」
この日はこんな会話をして、亜以子は自分の片づけに戻っていった。
大学生活が始まって3ヶ月が経ち、太一は学内での生活にも実家を離れての一人暮らし生活にも段々慣れてきていた。亜以子ちゃんとも週1回のサークルではもちろん、普段の講義の中でも会う機会が増えてきていた。
ある日の夜、太一が家で「なんか面白そうな番組ないかな~」とテレビのチャンネルをザッピングしていると、携帯には一通のメッセージが。
(亜以子ちゃんだ。こんな時間にどうしたんだろう)
【明日ちょっと話したいことがあるの。空きコマとかあったら会えたりする?】
話したいこと?太一にはわからなかったが、とりあえず空きコマを聞かれたので急いで返信する。
【明日は2限と3限が空きコマだよ】
【私も3限空きコマだから、大学の食堂で会えたりする?昼ご飯食べながら話そ】
【分かった】
【じゃあ明日の3限に食堂で待ってるね】
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