第3話 サークルに入る

大学生の楽しみの一つとして、サークルに入ることがある。太一は中高と部活に所属していなかったが、サークルは部活とは違って自由にできることが多いイメージもあり、「大学生になったら何かしらのサークルに入ってみよう」ということを入学前から決めていた。


この日はサークル紹介があり、各サークルの部長たちが新入生を自分のサークルに勧誘していた。そして太一も早速勧誘を受けた。


「こんにちは!テニスサークルの部長をしている三回生の岩倉翔輝いわくらしょうきです!」

声をかけてきてくれた翔輝先輩は、元気のいい、「ザ・テニス男子」という感じの爽やかな男の子だ。


「君、名前は?」

「はい、香川太一です」

「太一くんかー。太一くんはテニスに興味ある?」


小さい頃に読書漬けの毎日を送りスポーツには一切触れたことがなかった太一だが、そんな中でもテニスは従兄弟いとこがしていたこともあり、少し興味を持っていた。


「興味は少しならあります。したことはないです」

「おーそうか。じゃあうちのサークルに入ってみるかい?テニス初心者でも、経験者の先輩たちが優しく教えてくれるからウェルカムだよ!」

「俺、初心者というか一回もしたことないですよ?」

「いいの、いいの。小さいことは気にしない」


こうして太一が憧れていた大学でのサークルライフは、テニスサークルで過ごすことになった。

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