8.選択肢
さてのんびり考えている時間は微塵もない、ゴブリンが今にも部屋に突入してくるかもしれないのだ。
人を殺して手にしたポイントを使うのはあまり気乗りしないがポイントはポイントだ、今はこのポイントは有難く使わせてもらうよ。
INTに極振りだ。
11SP全てを振りINTが19になった。
これで俺の魔法の威力は上がりゴブリンを四発ぐらいで倒せる筈だ。
ドンッ!
(お?ゴブリンが隣の部屋のドアを殴ってやがる)
ドン!ドドン!、ガッ!
バァッガンッ!
(お?壊れたな‥)
流石にこのマンションのドアでは籠城は無理だったようだ。
「おら!死にやがれ!」「ドンッ」「ドンッ」「ギィキャキャキャアァ」「ぁああああああクソがぁああああ」
「ギィィイ!」「ギギギィキャキャキャ」
このマンションは普通のマンションよりは防音対策がなされているが、それは外に音が漏れない様にであって隣の部屋に対しては弱く、隣の人の断末魔的な声はハッキリと聞こえていた、人の叫び声とゴブリンのあざ笑うような声が、微かにだけれども不気味なほど鮮明に聞こえていた。
「お隣さんのドアは壊されちゃったみたいですね」
「なんで貴方はそんなにも、冷静なのよ、いづれこっちにも来るかもしれないのよ、それに…」
何を言おうとしたのだろうか。
まぁ関係ないか。
「そうですねぇ、来たら自分の身ぐらいは守れますからね」
「なら私もオマケで助けてください。」
「嫌です」
俺はキッパリと断る、一瞬で断言するかのように。
「なッ...」
「確かにオマケという言い方は別に嫌いではないので好印象ですが、既に二回も助けてますよね?これ以上、命を助けられて、どうやって恩を返す気ですか?、まさか恩を仇で返す気で?」
「そんな!恩を仇で返すなんて絶対にしないわ!だからお願い」
「なら三度助けられて、その恩をどう返す予定なのかお聞きしましょう」
「それは..」
「ほら、思いつきませんよね?」
数秒だまり込んだ、聖奈さんが覚悟を決めたように言ってきた。
「いいわよ、どうせ貴方も男なんだから私にいやらしい事をしたいんでしょ!好きにすればいいじゃない!」
こんな状況でなにを呆れた。
「要らんわッ!」
「なッ‥これでも私、顔と体系には自信あるのよ!成績も優秀だったし!何が不満だっていうのよ、それに私は価値ある処――」
はいはい、落ち着こうね。
誰も求めてない情報をペラペラ言わないの。
勝手に自爆発言をして、顔を伏せる望奈であった。
「もう面倒です、今ここで決めてください。
一、俺は一人この部屋から消えますので自分で頑張って生きてください、そして生きてまた会えたら恩を返してください。
二、最優先を俺の命としてその次に望奈さんの命を守ってあげるので、貴方の権利全てをもらいます。
どちらか選んでください」
さぁ、究極の選択?だ。
俺なら迷わず1を選ぶがな、
自分で戦えばいいだけである、まぁ、その選択を選べるのは冷静になって時間がある場合の話である。
「ドン!、ドん!ドンッ、バンッ!バタンッ」
ドアが蹴り破られ、ゴブリンが入ってくる。
(ナイスタイミング)
「いやぁぁ...」
(恐ろしい程にタイミングが良いな、俺はドアの耐久値なんて計算出来ないし別に俺が仕組んだわけじゃ無いからな?)
「ギィ?」「ギィイイ!!!」
二匹かまぁ大丈夫だろ。
「助けて!」
「え?、どうするんですか?早く選んでくださいよ、死にますよ?」
「そんな事より、早く!二よ!二、二の方で良いから助けてッ!」
まぁ俺より入口に近いからな、こうなる事は予想していたが、良し言質はとった。
「マジックアロー」
手前にいたゴブリンめがけて魔法を放つ。
(つよ…)
放った矢はゴブリンの頭を吹き飛ばしていた。
そして血が周りに飛び散るが今はそんなの気にもしない。
「マジックアロー」
終わったな。
もう一匹のゴブリンは仲間がやられ動揺していた、その隙に攻撃した。
だがそれで終わらなかった。
(何!?)
さっきのゴブリンは頭に受けて一撃だぞ?
こいつは確かに頭に当たったが吹き飛んではなく、2m程後ろに飛んで背中から地面にダイブしただけで生きている。
なぜだ?防御力が違うのか?
(まぁいい、考えるのは後だ)
「マジックアロー」
しつこい。まだ生きてやがる。
「マジックアロー!」 「グチャ。」
ゴブリンが起き上がる前に、攻撃しまくる。
ダウンしたら待つ?そんなの必要ない、滅多撃ちして殺すのみ。
(この部屋のドアは壊されたし移動するか)
「さぁ片付きましたよ、いつまで腰抜かして座ってるんですか?立ってください、移動しますよ。」
「ちょ移動って、どこに...」
「後、武器があるなら持ってきてくださいね」
「ま、待ってよ。今準備するからぁあ」
仲間?を確保した。
これで少しは楽になると思いたい。
まぁ、使えなければそれはその時だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます