神の告知・地球に魔物を出現させるから生き残ってね ♪『人種に存続あれ..』

6.いつだって人間は素直だ

　やはり遠距離攻撃は素晴らしいな、全く服が汚れない、最高だ。

　部屋に戻った俺は、自分の身体に傷がないか確認したり、冷静になる為に深呼吸をして息を整えていた。　

「さてステータスを確認するか」

　そう口にしてると勝手にステータス画面が出てくる。

【千田　本暁】 Lv1(2/10)

【職　業】:魔士Lv1(2/15)

【Ｈ　Ｐ】:10

【Ｍ　Ｐ】:10/44

【ＳＴＲ】:1

【ＶＩＴ】:1

【ＡＧＩ】:1

【ＤＥＸ】:1

【ＩＮＴ】:8

【ＲＥＳ】:2

『SP＝0』『JP＝0』

スキル

【マジックアロー】

実績

【ゴブリン初討伐】

そして戦闘する前とは所々が違う表記でテンションが上がる。

「おお！！」

（経験値的な表記がされてるぞ！）

　２/１０？って事は一匹で2経験値って事？なら、ゴブリン後四匹倒せば上がるのか？‥それは簡単なような難しいような。

　普通こういうのって最初は一匹でLvが上がってもよくない？

　てかゴブリン耐久力やばいし。

　俺のマジックアローはフルＭＰで十四発しか撃てない。

　なのにさっきは地面にも強打させるというコンボで九発使って、ようやく絶命させる事に成功したんだ、後四匹なんてどう倒したら良いのか検討すらつかない。

　しかもＭＰは10分で１回復ときた。

　MPのフル回復には7時間20分もかかる。

　上手くいってもレベルアップするのは18時間後になる。

（18時間なんて俺は生きていられるのか？）

　外から人という餌は時間と共に減っていき、自衛隊も減っていく、そしたら自由に動けるモンスターは増えていくだろう。

　時間が進めばそれだけ動きずらくなり、危険度も上がっていくだろうな。

　自衛隊がモンスターの制圧に成功するとは思っていない。

　成功というより基地の防衛はどうにか成り立つだろうな程度にしかもう期待はしていないのが俺だ。

「そうだよ、自衛隊だよあいつら銃持ってるじゃん、死体から漁れないか？」

　だがゲームでも同じだが漁ってる時の漁夫程怖いものはない。

　今の俺はＭＰ的にスキルなしの一般人。

　自衛隊の近場の死体までは、階段下りきってから全力で走っても６秒はかかる距離がありそうだ。

　その道にはまだモンスターが沢山いる。

　「無理そうだな。」

―

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―――

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―――

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―

「いや、離して！」「いいじゃねぇーかよ」「嫌ッ！」

　突然部屋の前ぐらいからそんな声が聞こえてきた。

（向かいの人か？）

　それにしてもこんな時に何やってるんだよ、痴話げんかなら他所でやれモンスターが来てしまうだろうが。

　俺はドアアイから向かいの部屋の方を確認してみる。

　そしたら

「う...」

　男性がどこからどうみても無理やり女性に襲い掛かってる。

　ドアが開いた玄関で…

　これはドア開けたら襲われたやつか？痴話喧嘩じゃなかったのか？

（面倒だが、このままではモンスターが来てしまう。）　

　「ッチ」

　「ガチャ」

　俺はドアを開けて、部屋から出る。

　流石にドアの開閉音で俺に気づき二人とも俺をみる。

「助けてください！」

　女性は藁にも縋る勢いでそう言ってきた。

「なんだてめぇわ、痛い思いしたくなければ引っ込んでろ！じゃねえーとそこのゴブリンみたいに潰すぞ？」

　俺は男があれだよ、みたいな感じで頭でその場所を示すので階段の方を見るとそこにはゴブリンが居た。

　死体だ。

　でもこれ（俺がさっき潰したゴブリンじゃね？）

　どこからどうみても俺が倒したゴブリンを思い出しても全く同じ死に方をしている、部屋に戻る際に二度見しているし、あの数のマジックアローを撃ったんだ忘れもしない。

　ならこいつは、何故嘘をついてる？

　その理由がわからない。

「これはお兄さんが倒したんですか？」

「ああ、そうだおめぇも、こうはなりたくないなら部屋にすっこんでろッ」

　自信満々にそう答えてきた。

「参考までにいどう倒したか教えてもらえますか？」

「なんでそんな事教えなきゃならねぇんだよ！力は隠してなんぼだろ」

「それもそうですね、では‥マジックアロー」

　では、と言った俺に油断したんだろうな。

　男は俺から意識を外し女性の方に顔を向け始めた、その瞬間に俺はマジックアローを放った。

　どうせ数発ではゴブリンを倒すなんて、基本的には無理ゲーだ。

　最弱と言われやすいゴブリンでそれなら他が来ても恐らく死ぬ、なら今は目の前のモンスターを呼び寄せる危険を排除するのが最適だろう、だから俺はこいつを躊躇なく攻撃した、後頭部を狙って。

　仮にこのゴブリンはこいつが倒したのだとしても、モンスターを呼ぶこいつを俺は放置するメリットが存在しない、来て数が多ければ本当に一匹相手に勝てた此奴が、複数に勝てる可能性なんて知らんし、そんな他人を信用なんてしてられるか。

　一匹でも今の俺では倒せない。

　こいつがそれを普通に倒した場合、助けたんだッから何かよこせ、とか要求されても面倒だ。

　この状況で騒いでる時点で頭、考え方が良いとは言えないし。それに恐らくあれは俺が倒したゴブリンだ。

　後頭部にマジックアローが直撃した事で男は気絶するように倒れ、女性の上に倒れた。

「いやぁあああ」

　なんか叫んでるうるさい。

　叫びながら男性は横にずらされ地面に落とされる。

　男がチートスキルをもし持っていた場合は、俺に勝ち目はなく返り打ちにあっていただろうが、それ以外の基本的な職業・スキルなら勝てるとみていた。

　このステータスが反映されても身体能力は、ステータスにポイントを振らない限り普通の人間と変わりない、先程の戦闘で身体を動かして確認したのでほぼ間違いないだろう。

　この男の体型は標準的で力が強いようには見えない、それで撲殺でゴブリンをあの状態にするにはステータスによるSTRの極振りで筋力アップしかない、その場合は不意打ちのマジックアローを元々の人間の防御力で耐えるしかないのだが流石に無理だろう。金属バットで思いっきり殴られるようなものだぞ？不可能だ。

　逆にこいつが防御力に極振りで耐えたとしても、それなら攻撃力が並の人間と同じという事で今からでも追撃で殴るなり、マジックアローを使うなりしてたら勝てただろうな。

　そしてゴブリンをあの状態に出来る可能性が一番高い、俺と同じ魔士でINT極振りなら、結局防御力無くして一発アウトなので全然問題はない。

（まぁこれぐらい勝てる見込みがないと、いきなり不意打ちはしないよな）