2.職業を取る
俺が送ったメッセージの返信が来るまでの間に、ステータスをもう一度見ておく。
【
【職 業】:未選択
【H P】:10
【M P】:7
【STR】:1
【VIT】:1
【AGI】:1
【DEX】:1
【INT】:1
【RES】:1
『SP=5』『JP=1』
これはSP=スキルポイント・JP=ジョブポイントか?
いや、あれだなSPってのはステータスポイントの方か、最近この手のステータス表記のゲームを触ってないから忘れてたけど、昔、流行ってたRPG系のゲームではこれが主流だった気がする。
てか、あまり深く考えても無駄か..与えられたシステムがこれなのだ、これを上手く使っていくしかないだろう。
(まずは選べる職業でも確認してッと。)
『以下の職業からお選びください。』
・【戦士】・【堅士】・【軽士】・【遠士】・【魔士】・【護士】
・【技士】・【冒険者】・【運び屋】
【無職】【ニート】【引き籠もり】
【ゲーマー】【リーダー】【コレクター】
【会社員】【フリーター】【アドバイザー】
【運転士】【詐欺士】【工作員】【ストーカー】
「多くね?」
俺が最初に思った事だった。
軽い気持ちで見てみたら予想を超える数でびっくりした。
なんで職業選択なのに無職が選べるのか俺は聞きたいが、このシステムいや、神の居る世界は無職は職業として認められてるのか?でも、職業では無いよな..絶対に...。
てか、なんの基準でこれは表示されてるんだ?
まさか俺自身の過去の状態や、現在の状態を職業化表示してるのか?
『私はね、戦士を選んだ!そしたらSTRが+2・VITに+1されてステータスが伸びた!』
考え事をしていると、先程の送ったメッセージに対してと思われる返信が来ていた。
職業に影響されて、ステータスが変化するのは朗報だな、その代わりに慎重度が増した訳だが‥
『後、選んだらJPが1減って0になったなり。』
慎重に成っていた所に更に情報が増え、職業を選ぶ指が止まり、躊躇っていた。
(これ初期の職業選択ミス=死亡だな)
これはゲームじゃ無い、現実だ。
キャラの再設定が出来ないのなら次いつ職業が変えれるか分かったもんじゃない、間違ったら中盤までそのままとかゲームなら全然ありえた。
問題はこのシステムがどうなってるかだが……とは言っても時間は有限で既に5分は経過し、後55分後にはモンスターが出現し。のんびりしてたら何も出来ないまま死んでしまう可能性すらある、だがそれは嫌だ、絶対にそれは避けねばならない。
断固として死を拒む訳ではないが、ゲームでも自分が理解出来ないまま殺されるのは納得出来ないのが俺だ、特に謎の初見殺しに見舞われた日にはトコトン勉強したものだ。
おかげで同じ死に方を二度としないを、基準にやってた俺はFPS系のジャンルではかなりの強さだったと思っている。
(今ではもう過去の話か…)
何度も24時間以上連続でゲームをして、段々と身体に異常が出始めた今では殆どやっていない。
(そして追い打ちの神からのクリスマスプレゼントか・・)
そんな話はどうでもいいか。
それに実は選ぶ職業は一覧を見た時から決まっている。
「魔士一択でしょ」
今まで様々なRPG系をやってきたが、必ずと言ってもいい程に魔法系のクラスを選んでいた、理由は簡単だ俺の性格に合っていたただそれだけだ。
別に前に出て敵をバッサバッサと切り倒す無双がしたくない訳でもないが、魔法で遠距離からドンっ!の方が憧れるからだ、慎重に選ばないとダメだが見た所職業と職業で表記が違う奴らがある。
恐らくだが神がこのシステム、ステータスを付与してからの異世界的職業が【戦士】【軽士】【魔士】などで、地球にある職業をステータスとして力を与えたのが下の【無職】【会社員】【運転士】なのだろう、そうなのなら前者の職業達ならハズレ職業は少ないはずだ。
(いやそう思いたい‥)
だって後者のニートとか絶対害悪だろ。
どんなチートが盛り込まれてるか知らんが絶対にハズレだ。
まぁ断言するのは良くないだろう、ニートだぜ?ラノベとかでは無職最強!ってパターンは聞いたことがあるけど、ニートは聞いた事がない。
ニートは世間でも叩かれるだけ?まぁネットに住んでるんだから、一部の人からは感謝されそうな気もするけど‥それは別の話だから考慮せん。
『皆さんは食料とか買いに行かなくても大丈夫なんですか?』
不意にそんなメッセージが来た。
俺がニートの事を考えてる間にめっちゃ重要な事を考えてる人も居たんだな、何だか差を教えられた気分だ。
(食料かぁ~沢山あっても困らないけど、死んだら意味ないしなぁ)
食料を蓄えてポッキリ死ぬのは無念過ぎる。
バトロワでせっかく物資を集めたのに数秒で殺され、自分の死体から物資を奪われるのと同じである、それがこの現実で起こってみろ?一回きりの命でやるんだ絶対にあの世で萎える。萎える自信しかない。
それに俺は50時間配信などをしていたから、家に非常食などが元から沢山あるし、災害用の備蓄もるのでそれ程心配はしていない。
(水に関しては飲料水が40~50Lはあるしな…)
『俺は大丈夫だぞ、備蓄は潤沢だ』送信ッ!
『私も大丈夫かなぁ~』
『僕も問題ありません』
『同じく』
『どうにかなるっしょ!』
『なんで皆大丈夫なんだよ!・・俺、今近くのスーパーに来てるけど、開店前のパチンコ並に行列だぞッ!』
「パチンコの行列ってなんだよ..」
(あぁ、あれか)
朝の仕事帰りに開店前のパチンコ店を通った事がある、その時は世界中で新ウイルスが蔓延していたのにパチンコの駐車場では数十人以上の人が列をなしてて(えぇぇぇぇ)と、驚愕した事があるのを思い出した。
てか凄いな若者ならまだしもそんなに人が居るって事は、大人も居るんだろうが、大人達はイタズラだの、なんだのと、切り捨てると思ってたのに案外信じてるのか。
「やっぱり、直接頭に響く声ってのが重要でそれ+他の人にも聞こえたってのが大事なのか?・・・ぇぇい分からん!」
(そうだ、テレビでもつけてみるか。)
ピッ
【―り全国に緊急事態宣言を出しました】
【それと同時に自衛隊を市街地に派遣、警戒に当たらせるとの事です。】
「マジかよ、思い切ったな」
この数分でその決断が出来るとは、きっと官僚の中にラノベオタクが居たのだろうな、これで何も起きなければ批判で済まないだろうが、そんな状態なら魔物など出現しなかったって事になる。
まぁどうなるか分からないがもし起きた場合、それで少しでも人が助かるのならばそれで良いのだろうな。
批判されるのならそれは平和な日本だからこそ、無駄に批判して騒ぐ人が居るのだから、平和、ボケか…
(魔物が来たら少しは改善されるのだろうか‥もしかして…いや、止めよう)
そろそろ俺も魔士を選ぼう。
やはりどんな魔法が使えるのか楽しみで仕方がなかった。
俺はステータスと念じ、画面を開き、そして操作し始めた。
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