第5話 サソリ イト

「ナイモンしようぜ! イト!」

 サトはナイト・オブ・モンスターで、学校でもスマホがあれば楽しく遊べる。

「いいのかい? 私は強いよ。」

 自信満々なクラスメイトのイトは10才の女の子。

「ナイモン! ファイト!」

 サトとイトは戦いを始める。

「サトの名において命じる! いでよ! スラちゃん!」

「スラスラ!」

 サトはスラちゃんをナイモン・カードから呼び出す。

「スラちゃん! 鎧に変身だ!」

「スラ!」

「ナイモン! 変身!」

 スラちゃんは鎧に変身し、サトの体に装着していく。

「ナイト・オブ・モンスター! スライムの騎士! スライム・ナイト! 参上!」

 サトはスライム・ナイトに変身した。

「分からないな。魔法使いのナイモン・カードを持っているのなら、マジックナイトになればいいの。魔法騎士の方がまだ、私に奇跡で勝てるかもしれないよ。」

「いいんだよ! 僕はスラちゃん推しなんだよ!」

「スラちゃん? サトは子供だね。クスッ」

「うるさい! 人をバカにするな! おまえも同じ10才だろうが!」

 これでもサトとイトは仲が良い。

「今度は私の番だね。イトの名において命じる! 出てきていいよ! ゴーレム!」

「ゴーゴー!」

 イトはナイモン・カードからゴーレムを呼び出す。

「デカイ!? おまえ悪魔と契約でもしているのか!?」

 サトは悪魔バエルの巨大化魔力を思い出した。

「悪魔? ナイモンの世界に悪魔はいないでしょう。クスッ!」

 イトは悪魔には遭遇していない。

「どうしよう? ナイト・オブ・モンスターに変身しなくても、ゴーレムの一撃で倒せそうだけど、サトに選ばせて上げるよ。ゴーレムの騎士の力を見たい?」

「見たい! 見て見たいです!」

 白旗をあげるサトは好奇心旺盛であった。

「いいよ。ゴーレム! 鎧に変身!」

「ゴー!」

「ナイモン! 変身!」

 ゴーレムは鎧に変身し、イトの体に装着していく。

「ナイト・オブ・モンスター! ゴーレムの騎士! ゴーレム・ナイト!」

 イトはゴーレム・ナイトに変身した。

「すごい! ゴーレム・ナイト!」

 サトはイトのゴーレム・ナイトに見惚れる。

「いくぞ! イト! くらえ! スライム・ソード! でやあ!」

 サトの攻撃。


カチン!


「なに!?」

「そんなもの効かないよ。」

 スライム・ソードが弾かれるくらいゴーレムの鎧は固かった。

「今度はこっちの番だね。剣を抜くまでもない。いくよ! ゴーレム・パンチ! 痛恨の一撃!」

 ゴーレムのメガトン級のパンチ攻撃。

「ギャア!」

 サトは倒された。

「あらら。ミンチになっちゃった。」

 イトはサトに勝った。

「私の勝ちだね。どのカードを貰おうかな?」

 イトはサトの手持ちのカードを眺める。

「あれれ? 1枚だけプロテクトしているカードがあるね。何かレアカードでも隠し持っているの?」

「ギクッ!?」

 鋭いイト。

「す、スライムだよ! 僕はスライムが大好きなんだ! アハッ!」

「サトは本当にスライムが好きなんだね。じゃあ、魔法使いのカードを貰うよ。サトの中では一番強いカードだからね。」

 イトはサトから魔法使いのナイモン・カードを貰った。

「サト。次のステージは砂漠でサソリだと思うから、スライムはやめて魔法使いを使いなよ。サソリもゴーレム同様に防御力が固いから魔法じゃないと倒せないよ。」

 さりげなくアドバイスを送るイト。

「ありがとう! でも僕はスライムでがんばるよ!」

 懲りないサト。

「まあ好きにしてよ。じゃあね。」

 イトは去っていく。

「クソッ! エルさえ使えればイトにも負けることはないのに!」

 サトはチートな光の精霊に頼って悔しがった。

「よし! 物語を進めるぞ!」

 サトは冒険を始める。


「今の女の子は鋭いな! ああいう子が普通は光の騎士に選ばれると思うんだけどな?」

 サトの対人戦を覗き見していた悪魔バエルの素朴な疑問。

「だが固いだけじゃないぞ。もう一つステータス異常を引き起こすギミックがある。いけ! サソリ!」

「サソサソ!」

 悪魔バエルの命令でサソリが砂漠にむかう。


「おかえり! サト!」

「ただいま! エル!」

 物語を始めると陽気な光の精霊エルフが笑顔で出迎えてくれる。

「ほれ! 約束のお土産だぞ!」

 サトはお土産を差し出した。

「これは何?」

「乾電池。」

「・・・・・・。」

 サトのお土産の乾電池に言葉を無くす光の精霊エルフ。

「私はケーキとかポテチとか美味しいものが食べたい! ウオー!」

 吠える光の精霊エルフ。

「おまえ! ハリセンボン飲めや!」

「ごめんごめん。今度はちゃんと持ってくるよ。」

「やったー! 次回こそケーキだ! ポテチだ! わ~い!」

 怒りは簡単に忘れてしまういつも明るく元気で笑顔な光の精霊エルフ。

「エル! それより次の物語は?」

 サトは物語を進めたい。


ムシャムシャ!


「なかなかの美味ね。美味しい! 口の中でバチバチ言ってるわ! アハッ!」

「結局食うんかい!?」

 美味しそうに乾電池を食べている光の精霊エルフ。

「ああ! 美味しかった! ペロリ!」

「また持ってくるよ。」

 満腹な光の精霊エルフ。

「話は戻って、砂漠でサソリが現れて人々が怖くて困っているんだって。サト。サソリを倒しにいこう!」

「おお! よし! 砂漠に行くぞ! とう!」

 サトは砂漠に向かう。


「やって来ました! 砂漠! 砂ばっかり・・・・・・。」

「だって砂漠だもの。アハッ!」

 サトは砂漠に着いた。

「サトの名において命じる! いでよ! スラちゃん!」

「スラスラ!」

 サトはナイモン・カードからスラちゃんを呼び出す。

「よろしく! スラちゃん!」

「スラ!」

「よし! スラちゃん! 鎧に変身だ!」

「スラ!」

「ナイモン! 変身!」

 スラちゃんは鎧に変身し、サトの体に装着していく。

「ナイト・オブ・モンスター! スライムの騎士! スライム・ナイト! 参上!」

 サトはスライムの騎士に変身した。

「サト。イトにサソリは固いから魔法が使えるナイモンの方が良いって教えてもらったんじゃないの? スラちゃんよりマホちゃんの方がいいんじゃないの?」

「大丈夫! 僕のスラちゃんなら!」

 サトのスラちゃん愛。

「それに僕にはエルがいるからね。アハッ!」

「わ、私に任せなさい! サソリなんか光に滅してやるわよ! アハハハハハハッ!」

 光の精霊エルフの脳みそには花畑が咲いた。  

「よし! いくぞ!」

「おお! 砂漠に光のイルミネーションを奏でてやる! アハッ!」

 サトと光の精霊エルフは砂漠を進んでいく。


「砂ばっかりだと喉が渇くな。ハアハア。」

「どこかにオアシスはないの?」

 サトと光の精霊エルフは水不足でバテていた。

「サソサソ!」

「出た! サソリだ!」

 サソリが現れた。

「サソサソ!」

 サソリの攻撃。

「ギャア! ゲホッ? これは・・・・・・毒だ!?」

 サトは毒に侵された。

「しまった!? 毒消し草なんて持ってないぞ!?」

「私に任せなさい! 光魔法! ライト・クリア!」

 光の精霊エルフは光の魔法ライト・クリアを唱えた。

「おお! 体から毒が消えていく!」

 サトの体から毒が消えた。

「エル! ありがとう!」

「これでも私は伝説の光の騎士の鎧ですから! アハッ!」

 感謝されて大喜びの光の精霊エルフ。

「今度はこっちの番だ! いくぞ! サソリ! くらえ! スライム・ソード! でやあ! 18連撃!」

 サトの攻撃。

「ギャア!」

 サソリを倒した。

「やったー! サソリを倒したぞ! サソリのナイモン・カードだ! わ~い!」

 サトはサソリのナイモン・カードを手に入れた。

「サト! 毒には毒よ! サソリなら毒耐性があるから毒に侵されないわ!」

「よし! サソリに変身だ!」

 サトは気合を入れる。

「サトの名において命じる! いでよ! サソちゃん!」

「サソサソ!」

 サトはナイモン・カードからサソリのサソちゃんを呼び出す。

「サソちゃん! 鎧に変身だ!」

「サソ!」

「ナイモン! 変身!」

 サソちゃんは鎧に変身し、サトの体に装着していく。

「ナイト・オブ・モンスター! サソリの騎士! サソリ・ナイト! 参上!」

 サトはサソリの騎士に変身した。

「よし! サソリを倒しまくるぞ!」

 サトはサソリと戦いまくる。


「サソサソ!」

 サソリが現れた。

「出たな! サソリ! くらえ! サソリ・ソード! でやあ! 18連撃!」

 サトの攻撃。

「ギャア!」

 サソリを倒した。

「毒さえ気にしなければ怖くない! よし! ガンガンいくぞ!」

 サトはサソリたちと戦っていく。


「よし! 砂漠のサソリを倒しきったぞ!」

 サトはサソリをほぼ全て倒した。


「哀れなサソリたちよ! おまえたちの無念を晴らさせてやるぞ! デビル・ヒュージ!」

 悪魔バエルが魔力でやられたサソリたちを一つに合体させていく。


サソサソ!


「巨大なサソリだ!?」

 サソリ・ビックが現れた。

「サソサソ!!」

 サソリ・ビックの攻撃。

「ギャア! あんな毒に侵されたら一瞬で死んじゃうよ!?」

 サトは間一髪で避ける。

「いくぞ! エル! 光の騎士になるぞ!」

「おお!」

「ナイモン! 変身!」

 光の精霊エルフは光の鎧に変身し、サトの体に装着していく。

「ナイト・オブ・モンスター! 光の騎士! ライト・ナイト! 参上!」

 サトは光の騎士に変身した。

「いくぞ! サソリ! くらえ! 必殺! ライト・ソード・スラッシュー!」

 サトの必殺の光攻撃。

「ギャア!」

 サソリ・ビックを倒した。

「やったー! サソリを倒したぞ! わ~い!」

 サトは勝利を喜んだ。


ピロロロローン!


「やったー! レベルアップだ!」

 サトのレベルが20になった。



ピキーン!


「また、おまえか!?」

 サトは悪魔バエルの気配を感じる。

「その通り! 悪魔は悪あがきが得意なのだ! ワッハッハー!」

 悪魔バエルが現れる。

「勝負だ! バエル! 今日こそ逃がさないぞ!」

「誰が逃げるか! 倒してやるぞ! 光の騎士!」

 サトと悪魔バエルの意地がぶつかりあう。

「いくぞ! バエル! 必殺! ライト・ソード・スラッシュー! でやあ!」

「くらえ! 光の騎士! 痛恨の一撃! バエル・ソード・スラッシュー!! うりゃあ!」

 サトと悪魔バエルの攻撃。

「やるな! バエル!」

「おまえこそ! 人間の分際で!」

 サトとバエルの剣の腕前は互角だった。

「これならどうだ! でやあ! ライト・ソード! 20連撃!」

「なに!? ギャア!」

 サトの20回攻撃で悪魔バエルを切り刻む。

「ギャア! 覚えてろよ!」

 悪魔バエルは危機一髪のところで逃げた。

「やったー! 悪魔バエルを倒したぞ! わ~い!」

 サトは勝利に大喜び。

「また逃がしちゃった。いつになったら悪魔を倒せるのかしら?」

「仕方がないよ。バエルはバエルで強いんだから。」

 サトは悪魔バエルの強さを実感していた。


「何が20連撃だ!? 光の騎士の卑怯者め! ・・・・・・光の騎士を倒すためには俺も強くならなければいけない! 俺は光の騎士に比べて弱いから負けるのだ!」

 悪魔バエルは自分は悪魔だから強いというおごりを捨てレベルアップに励むことにした。


「何はともあれ、これで砂漠はクリアね! アハッ!」

「よし! 魔王を倒すぞ!」

 サトの冒険はつづく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る