玩具

 弟は最近キラキラした何かに興味を抱くようになっている。母がマネキンに引っ掛けて忘れていったブランド物と思わしきアクセサリーを赤ん坊とは思えぬ力で奪い取ると、満足そうに口に含んで遊んでいる。とんでもなく高価な玩具だが、扱いはドロップが庭の木で手作りした積み木と大差ない。見る見る涎まみれになるネックレスが、乳歯にガジガジと金属部分が曲げられていく。丈夫な子だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

とある魔女の想定外 狂言巡 @k-meguri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ