episodes-4

「君が天晴 空(あっぱれそら)くんかね?」


おっさんくさい、低い声が聞こえた。

うちの親父にそっくりだ。



--そういや俺、そんな名前だったな。



「えぇ、まぁ…」


「こちらの方が、天晴 空さんです!!」


「そうかそうか、おっさんくさい声ですまないな。

わたしが神だ。ここ、天国の一応トップだな。よろしく。」



--誰が神とよろしくするんだよ。



と思いつつもどこからともなく生えてきた、

長い腕の先端の手と握手を交わした。


「どうも、よろしく…」


「神様!この方なんですが…」


「うむ、気づいておる。生前の記憶があるのじゃろ?」



--そんなにまずいのか?

まあ、こういうラノベ系の話は大体、まずい方が

うまくいくことが多い。流そう。



「メタな考えはやめとくれ…。


ごもっとも。記憶があるのはまずいことなのじゃ。

天国というのは、生前のことなど忘れ、縛られずに

自由に生きる場所なのだ。」


「その割には顔で判断するらしいなぁ?」


「…ん?なんの話じゃ。


さてはアメ、いい加減に説明しおったな。」


「え⁉︎違ったんですか⁉︎」


「全くじゃな…」


神は一呼吸おいて話し始めた。

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