第7話情報

城での仕事が終わったので『マム』へ行き、ゴリさん達と合流です。

そして城に教会の手の者がいると伝えると共に、本日あった事をゴリさん達にも報告致しました。


「なるほどな……城の中の動向も知られているか」


「そちらはどうでした?」


「……あぁ、それがな……」


ゴリさんはゆっくり話し出しました。


それによると西の神父を調べようとしたらしいのですが、どう言う訳か教会に辿り着けなかったと。

シャーロットさん曰く、空間が捻れているとの事でした。

捻れて繋がっている為、いくら歩いても同じ場所に出てしまうらしいのです。


私達は魔術師ではないので、こう言った類はお手上げ状態なのです。

妖術師と名乗るシャーロットさんが頼りなんですが、そのシャーロットさんがおりません。


──……先程まで隣にいたのですが。


キョロキョロ店内を見渡しますが姿がありません。ふと、外を見ると店に入れないフェルスさんの為に料理を運んでフェルスさんに与えている姿がありました。

相変わらずフェルスさんを愛してやまない姿に気持ちが和みます。


「教会まで辿り着けんかったが、シモーネ達には町で聞き込みを頼んでおいた」


「何か噂になってる事があるだろう」とゴリさんは考えた様です。

町に出たのはシモーネさん、ルイスさん、レナさん、クルトさんの四名。


このメンバーで行けば当然……──


「ふふ、ちゃんと聞いてきたわよ~。ちょっと色目使えばすぐ教えてくれるんだから楽勝よねぇ~」


「あんた、胸押し付けてただけじゃない」


「やだ、僻み?」


「はぁぁ!?違うし!!言っとくけど、私だって胸の谷間あるのよ!?胸は大きさじゃないの!!大事なのは形とフィット感よ!!」


──……ほら、始まりました。


シモーネさんとレナさんは胸の張り合いを始めてしまったので、大人しくなるまで放置しておきましょう。

先に、ルイスさんとクルトさんの集めてきた情報を聞くことにします。


「そうやねぇ……あんまいい話聞かんかったな」


「なんか、夜中に教会の近くを通ったら変な音がしたとか、あの神父は呪われてるだとか、女の子が教会に行ったら帰ってこなかったとか、こんなんばっかだったよ」


やはり東の神父とは正反対のようです。


「……しかし、何故こんなにも嫌われてしまったのでしょうね?私がまだ令嬢の頃は、通う方もチラホラいたのですが」


そう。数年前までは、通う方も少なからずおりました。

私もその一人。月一度程でしたが足を運んでおりました。


「そりゃあ、無愛想で行くたびに睨まれてちゃ行きたくもなくなるよね」


──確かに無愛想でしたが、墓を荒らす様な方ではないと思うのですが……


ルイスさんの言葉にそう思いつつ、これからの事をゴリさんに尋ねました。


「とりあえず、西の教会に行けるようシャーロットに道を作ってもらう」


まあ、それが最善ですね。

その道が出来上がるまで、私達は引き続き情報収集を頼まれました。


「……なぁ、それより、あれ、どないするん?」


クルトさんが指差すのはシモーネさんとレナさん。

未だに揉めております。

まあいつもの事なので、そのうち収まるだろうと判断しました。


私達はロンさんに料理をお願いし、それを美味しく頂きながらシモーネさん達を呆れながら見つめておりました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る