第3話 日常に戻る
朝食を食べ終えた私たちは幾分、心の落ち着きを取り戻したと思う。
少なくとも僕はそうだった。彼女はやっと「アレはなんだったの?」と
答えのない問いを僕に投げかけた。僕は「エイリアンかな??」となんとも間抜けな返答をしてしまった。僕自身何もわからないから何も教えてあげられない。
少しの静寂。
彼女は「どこから来たんだろうね?」「生きてたよね?」「どこに行ったのだろう」
と矢継ぎ早に話した。そうすることで気持ちを整理するように。
僕は不甲斐なくも「何もわからないな…」と返事するのがやっとだった。
そしてそろそろ帰りの支度をする頃合いになっていた。
タクシーに乗って最寄り駅まで向かう。都会の喧騒から離れた週末になるはずだった。二人ともなんとなく無言の時間が長かった。
それから半年して奇妙な生物に会ったことは忘れつつある中で僕たちは無事に結婚した。新聞社や週刊誌に何かを話したりすることなく僕たちは穏やかな生活の延長を続けた。
湖の不思議 あっくる @Akkuru01
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