第2話:待ち合わせ

遅いな……

待ち合わせしている華はHR後に少し用事があると言ってどこかに行ってしまった。

待ち合わせ場所は俺の下駄箱の前。

俺たちの始まりの場所。


「ごめ〜ん!待った〜?」


チラリと右に目をやるとそこには白髪を肩ぐらいまでに伸ばした美少女がたっていた。

白樺 華

それがコイツの名前。

俺の彼女である。


「また告白されてたのか?」


嫉妬しているのを隠すように少し早口で聞いた。

彼女は男子から人気だ、だからしょっちゅうこんなことがある。


「まーそーなんだけどね?これからは減ると思うよ!」

「ふーんそっか……」


ん?減る?どうしてそれが華に分かるんだ?

もしかして………


「俺との関係をバラしたりしたのか?」

「うん!!」


いや、うんじゃないんだよ。

これから男子の嫉妬の眼差しを受けながら生活するのか…


「ダメ…だった?」

「い、いや…?だめじゃねぇよ……」


そんな上目遣いで聞かれたら否定なんてできないよォ!!

俺の彼女可愛すぎん???

何この小動物系女子!?

抱きたい!!(意味深)


「そっか!なら良かった!……だけど少し寂しいな…」

「……なにが?」


こんな気持ち悪めの気持ちを押し殺しながらあくまでクールに質問する。


「だって、これからはもうヤキモチ妬いてる陽斗君を見れないんでしょ?」


いやバレてたんかい!!

今までスルーされてたからてっきり気づかれてないと思ってたわ!!

やばい、耳まで暑い。


「こんなことしてる場合じゃなかった!!行こっか!!」

「……おう、そうだな…」

「あはは、耳まで真っ赤だね?気づかれてないと思ってたの?可愛いね?」


たまに華はこんなふうにドS風になる、その時の俺は大体顔を真っ赤にしてそのモードが終わるのを待つしかない。



はぁ……俺ってドMなのかなぁ?

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【短編】下駄箱の中の青春 ウレシノハラ / 狂咲林檎 @kyouzakiringo

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