第7話:真相(後編)
「あ!?華ちゃん!?」
茶髪のウィッグをかぶった彼女は小学校、そして中学時代にクラス委員を勤めていた愛称:華ちゃんだった。
「今までウィッグをつけてたのか…!?」
「個人的に白髪がコンプレックスだったんだよね、まぁ高校では自分を出していきたかったから外すことにしたんだけど。」
「まじかよ…」
「それで?」
「なにがだよ」
「私告白の返事ずっと焦らされてるんですけど、なんですか?もしかしてそういうプレイなんですか?だとしたら今はやめてください。まだ早いですよ。」
とんでもなく早口で清楚可憐とは程遠い発言をしていったな。
どうするか…
断る理由もない、それに華ちゃんは中学時代みんなの憧れで俺も密かに思いを寄せていた。
(まぁ当時の俺に話しかける勇気もなかっただけなんだけどな。)
となると答えは1つ。
「まぁ…なんだ?こちらこそよろしくな。」
「ほんとですか!?やったー!」
心底嬉しそうだ。こっちは気が気じゃなかったぞ。
「あ、後聞きたいんだがなんで俺だったんだ?」
「え?だって入学式の時に私の髪を見て綺麗って言ってくれましたよね?私コンプレックスだった髪を褒められるの初めてで嬉しかったんですよ?」
「あれ聞こえてたのかよ!?」
どうしよう。すごく恥ずかしい。
あ、そうだ。
「あー、あと、ありがとな?」
「なんですか?」
「お前の手紙のおかげで学校が少し楽しくなったよ。」
彼女は1度大きく目を見開き、そして嬉しそうに微笑みながらこう言った。
「どういたしまして。」
こうして俺の高校生活は色を帯び始めた。
―了―
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