第5話:5日目

(はぁ……なんでラブレターを貰った相手のところに自分から行かなきゃならないんだよ…)


ついに今日が来てしまった。


最後の手紙には一体何が書かれているんだろう。


ガチャ


「……あった。」


カサッ


『そろそろ見つけてくれましたか?今日を楽しみにしてました。陽斗君から声をかけて貰えるのを待ってますね? 最後のヒント: 瑠璃色も好きです。』


案の定なんのヒントにもなってないようなヒントが書かれていた。


今までの俺ならなんだこれと憤慨していたかもしれない。


しかし今の俺は違う。

喋ったことも無い。実際に会ったことすら数回程度な彼女がなんで俺にこんな手紙をよこしたのかは分からない。

もしかしたら彼女の悪ふざけだったのかもしれない。


それでも。


俺はこの5日間が楽しくて仕方がなかった。


憂鬱だった学校でさえも楽しみに感じるようになっていた。

だから、彼女が何を考えているか分からないけど俺は感謝の言葉を伝えたかった。



お前のおかげで学校が楽しくなったよ、ありがとう。―――と



そして昼休み。



「なぁ白樺、ちょっといいか、話がある。」


「……いいでしょう。どこでですか?」


「屋上だ。」


ん?思ってた反応と違う。もっと微笑みながら返事をするかとか思ってたら凄い真顔で反応された。


……別人だったとかじゃないよな…?



(やば、冷や汗かいてきたわ。)

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