第18話
「すんませんでしたぁ」
俺は今土下座平謝り状態である。
何故かというと、結衣さんが激おこぷんぷん丸状態だかである。
「いっちゃんはね、もうちょっと報連相って言葉を勉強した方がいいと思うのね、だってね、突然今日から3日ほど休みますってメッセージだけ送られてね、そうなんだって思える?思えないよね?何があったのかって心配になるよね?でもメッセージ送っても既読つかないし、通話も出ないし、何してるか知ってる人ほどんど居なかったし、私ね、店長にね、事情聞くまで何にも知らなかったんだよ?いっちゃんはね、私の副担当さんだし、明日香ちゃんとアイリンちゃんの担当さんなんだよ?ちゃんとしなきゃなんだよ?わかってるの?」
かれこれ、30分はこの調子である。
言っている事はすべて正しいので反論どころか、謝るしかない。
「はい、重々承知しております」
「わかってない!わかってたら、ちゃんと連絡するでしょ!?それはね、妹ちゃん達がピンチだって知って、すぐに助けにいこーって思うのは分かるけどね、私達ももう仲間でしょ?そっちもちゃんと考えないとダメでしょ!?」
「はい、大変申し訳ありません」
既に謝るだけのボットとかした俺は、いまだにクドクドとお説教を説いておられる結衣さんを盗み見る。顔は怒り顔だが、目はいまだに半泣きだ。若干腫れているようにも見える。
心配してくれてたんですね、本気で。
もう、申し訳ないやら、うれしいやらで、どうすればいいかわからんのだが?
お説教から解放されたのは、なんと3時間もあとの事だった。
お説教でお店休んじゃいましたね、結衣さん。大丈夫ですか?
「で、あなた達が、いっちゃんの妹さん?」
ずっと俺へのお説教を斜め後ろで聞いていた、2人組に視線を向ける。
ちょっと怯えてるんじゃない? ダイジョウブコワクナイ。
「よく無事で。先生方も心配してらしたよ?後でちゃんと挨拶に行きなさいね」
ん?先生方ってじいちゃん先生とかの事だよね?なんでしってんの?
てか、なんか結衣さん急にお母さんポイくない?
「いっちゃんも!大路先生がたまには顔見せろって怒ってらしたわよ」
うげえ、俺もか。
てか、結衣さんおじいちゃん先生と知り合いなのね。
まあおじいちゃん先生は、長命種であちこち顔が効くみたいだし夜の世界には孤児出身のヤツも多いだろから、不思議でもないか。
ちなみに大路先生におじいちゃん先生とあだ名を付けたのは俺である。
それが何故かバカ受けし、俺より下のガキンチョ共全員がおじいちゃん先生と呼ぶようになった。
「で、あなた達うちで働きたいのね?」
「はい、にーや…はじめさんにもう、心配かけたくないので」
「私も、無理なく生きていたいので」
瑠璃さんや、そのセリフはどうなのか。
「そう、わかった。おねさんにどーんとついてきなさい。みんなで楽しくはたらきましょー」
ぽんと胸を叩きながらのどや顔結衣さんである。
まぁ結衣さんに任せれば心配はないだろう。
俺、なんやかんやあって、流れでファンタジー日本のキャバクラで黒服になったけど、
妹分たちも助けれたし、結衣さんには仲間って言われるし、黒服やっててよかったわ。
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一応ここまでで、ひと段落となります。
お読みくださった方々、誠にありがとうございます。
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