閑話2

皆さん、考えた事はないだろうか。

キャバクラに行く人はキャストの女の子と何を話しているのか。

そんなに楽しいのかと。


今回は少しキャストとお客様の織り成す会話について語りたいと思う。


エントリーナンバー1

合法ロリ担当アイリンちゃん(見た目12歳、実年齢25歳、小人族)の場合


アイリンちゃんは入店して間もないにも関わらず、既に何人かの指名を獲得し売り上げもそこそこ持っている期待の新人である。

大体のお客様はお父さん目線でアイリンちゃんの世話を焼いている感じで会話が進んでいく(アイリンちゃんは今の俺より年上の大人です)。ちなみにちゃん呼びは本人たっての希望である。

そんな見た目少女な女の子が「うんうん、そうだね」とか「すごーい」とか「へーそうなんだー」と満面の可愛い笑顔でお酒を注ぎながら自分の話を聞いてくれるため、おじさんどもはすぐにほだされるのだ。


しかし、中にはつわもの客もいらっしゃるわけで。


「俺さ、風俗とかいくじゃん、そしたらさ、すげーデカいって言われるわけよ。んでさ、こんなんじゃ気持ち良すぎてお金貰うの悪いね、とか言われちゃうわけ」


下ネタド直球である、しかもその話を見た目少女に話してどうするつもりなのか。

いつも可愛い笑顔が売りのアイリンちゃんも流石に笑顔が引きつっていらっしゃる。


「相手はプロよ?プロにそう言わせるって凄くね?だからさ、きょうシャンパン入れてやるからさ、アフターでホテル行こうよ。ぜってー気持ちいいから」


いや、既に気持ち悪いんだが。

ちなみに席についてからここまでアイリンちゃんは挨拶以外一切しゃべっていない。ただ引きつった笑顔で座っているだけである。

まあね、別にお触りしているわけでもなし、服脱いで露出しているわけでもなし、騒いでるわけでもないから、お店的にはセーフになるわけだけど、人間としては完全にアウトだから。


「えーシャンパン入れてくれるんですかぁ、やったー。何にしようかなぁ♪」


若干棒読みになりつつ、プロ根性を見せるアイリンちゃん。

メニューを開いてシャンパンを物色する。


「お、これでいいじゃん。これにしよーぜ」


比較的高めのメニューを見ていたアイリンちゃんだが、お客様の選んだシャンパンは当店お勧め、一番お手頃価格の物である。


本来キャバクラではあってはならない事だが、一瞬静寂がその場を支配した。


「ありがとー」


そういって俺を呼ぶために振り返ったアイリンちゃんの顔は暫く忘れないだろう。


その後お客様はアイリンちゃんに煽てられてシャンパンをイッキし、テキーラのショットもイッキし、残っていたボトルをイッキし退場された。

多分アフターには行ってないんじゃないかな? ははっw


※一気飲みは危険なのでやめましょう!



エントリーナンバー2

歌うま明日香さん(マーメード族)の場合


明日香さんも隔日出勤ながも着実にお客様を獲得している。

特にVIPやカラオケルームを利用されるお客様に人気である。

理由は言うまでもない、めちゃくちゃ歌が上手いからだ。

考えても見てほしい、美人かつそこらの歌手顔負けの歌うま女子が自分のリクエストで自分の好きな曲を自分の為に歌ってくれるわけである。しかもジャンルの幅が広い。

アニソンから今の流行歌、ラップから洋楽までなんでもうまいとくれば、ウケない訳がない。


そんな歌うま明日香さんとお客様の一コマである。


「それでさ、その同僚が言うわけ、お前今度の半期で移動あるぞって」

「えぇ、じゃあ転勤になるんですか?」

「まだ、本決まりじゃないけどね。いや、でも移動なっても明日香ちゃんには絶対会いに来るから」


このお客様がカラオケルームへ入られて、かれこれ3時間になるだろうか。

1曲もいれていませんが、カラオケルームに入った意味は?

まぁ会話は続いてるみたいだし、空気が悪いわけでもないから構わないっちゃ構わないんだけど。


「でも、今みたいに会えなくなるかもね、寂しくなるね。じゃあBetterFiends歌おう!」


おお、このタイミングで旅立ちソングを入れる明日香さんのセンスの良さよ。


ちなみにお客様は、マジ泣きしていた。

うれしかったんだね、その後シャンパンも入ってお客様は上機嫌でお帰りなった。

よかったよかった。



エントリーナンバー3

セクシー担当? 光さん(猫獣人族)の場合


言わずと知れた当店ナンバー2の光さんは見た目やドレスはセクシー路線なのに、あっけらかんとした性格と歯に衣着せぬ態度がお客様に受けている。

基本は俗に言われる友営(お客様に友達感覚で楽しんでもらう営業)なのなだが、ここぞと言う時男が何を求めているのかをしっかり把握して、ドキドキさせてくる。

前にもいったが、顔はそしらぬ態度のくせにソファーに置いた手をしっぽでつんつんしてきたり、巻き付いて来たりするのでそういうのが好きな人にはたまらない。

お客様にはそれを期待して、ソファーから手を離さない人がいるとかいないとか。


「ミー君はさ、今度のコンペ来るんだっけ?」


話題は今度光さんが主宰するゴルフコンペの事らしい。


「うーん、悩み中。山さんくるんでしょ?」

「あ、仲悪かったっけ?じゃあ無理か」

「無理って程でもないんだけどね、どうも苦手で」


光さんのお客様は皆さん仲いいって聞くけど、中には苦手な人もいるらしい。

まあそうだよね、人間だもの。


「そっかー、じゃあミー君とは別の事しよう。バーベキューとか、山さん抜きで」

「えーいいのかい?山さんにばれたら、煩くない?」

「大丈夫、大丈夫。コンペの次はつのっち呼ぶって言ってあるから」

「ああ、角田さんが来るんだったら大丈夫だね、よしバーベキューしよう。車と道具は俺が出すよ」


うん、友達関係に気を使いつつ楽しいことの相談をする、友営の見本のような会話である。


「いえー肉肉ぅ、たのしみー♪」


それで、みんな楽しいならいいよね。

ちなみにこの会話中にシャンパン3本空きました。すごいね。

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