閑話1
ゆうき先輩がやれやれと苦笑いでトイレから戻ってきた。
「大丈夫そうでした?」
「あれはダメね、派手に吐いてたわ。あとの掃除が大変そう」
「すみません、ご迷惑をお掛けして」
「いいのよ、あの子も入れて兄弟でしょ、私たち」
そう私達は全員ダンジョンの氾濫で両親を亡くし、引き取ってくれる親戚もいない子供達が育てられる「星の子供達」と言う養護施設で育ったダンジョン孤児だ。
いっちゃんは私達が「星の子供達」育ちだとは気付いていないみたいだけどね。
「まあ、元気に生きててよかったわ」
「そうですね、チームが全滅したって聞いたとき、先生方は気が気じゃなかったみたいですし」
「ほんとよ、私のところにまで事情聞きに来たしね。もう引退して長いのにね」
「私は全滅したって話と、いっちゃん達は全員無事だって、一緒に聞けましたからね、すぐ安心出来ました。やっぱり現役の冒険者さんは皆さん情報が早いです」
「まぁそれくらいは出来ないと生き残れない世界だしね。で?拾った感想は?」
「面白いですよ、いっちゃんは。全然冒険者って感じしませんし、ほんと弟って感じです」
「そう、やっぱりあの子に脈はなさそうねwあとの3人はどうなの?」
「今日いっちゃんに聞いて初めてしったですけどね、一人は伝妙百って焼き鳥屋さんで働いてます。すっごく美味しいのでお勧めですよ?今度行ってあげてください」
「知らなかったのに、店には行った事あるのね」
「ええ、いっちゃんのお勧めで。全然元冒険者って感じじゃないので気づきませんでしたw」
「そうなの、じゃあ私も一度いってみようかしら。残り2人は?」
「冒険者さんからは新しいチームに入ったらしいとは聞いていますが、詳しくは分かりません。いっちゃんも話してくれませんし」
「そう、じゃ私のほうでもちょっと聞いてみるわ。やっぱり気になるしね」
「お願いします」
やっぱりゆうき先輩はたりよりになるなぁ。
施設に馴染めずいつも部屋の隅に一人でいる私に積極的に話かけてくれて、とっても良くしてくれたゆうき先輩と、施設内でいつも仲良くしてくれた先輩しぃーちゃんにはいまでも頭が上がらないや。
まぁしぃーちゃんが私より年上だって気づいたのは、随分後のことだけど。
だって、どう見ても見た目は年下だしねw。
それから最近の施設の話とか、兄弟たちの話をしながらいっちゃんがトイレから出てくるまでゆうき先輩とお話した。
「うぅーきぼじわるい」
「あ、いっちゃんやっと出てきた。もう、そろそろ帰るよ?」
「あ‘‘ーい」
「じゃあ、ゆうき先輩、また来ます」
「ええ、待ってるわ。ほら、あんたも最後くらいはしゃんとしなさい!」
「うぃ、ありゃした」
もう、ほんともうちょっとしゃんとしなさい!
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ここまでお読みくださった方々、誠にありがとう御座います。
また、最初の3話以降全然更新できておらず、初期に読んで応援してくだった方には大変申し訳ありませんでした。
一応、ここまでで導入および人物紹介的な話は終わりになります。
次の話からは、しばらく街をちょっと離れてダンジョンの話なる予定です。
引き続きお読みくださると、これに勝る喜びはありません。
おまけで、評価頂けると執筆が更に早くなるかもしれませんがw
それでは、引き続きお楽しみください。
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