第六章3
お疲れ様でーす。
うす。謹慎解けました。先輩も? あははは。なにやらかしたんですか?
……しょーもな!
いやだってもう。駄菓子の万引って。買えよ。いだだだだだ。痛い。痛いですって! へーい。反省してまーす。さあて。今日もちゃちゃっと仕事こなしますかー。
え? あ、はい。ちょっと待って下さい。すぐ荷物置いてそっち行きます!
お待たせしました社長! なんでしょうか?
あ……はい。すいません。またやらかしちゃいましたね。あ、いえ。こっちの話です。はい。反省してます。気を付けます。
あの、すいません。今日ちょっと喉イガイガしてるのでマスク付けてます。大丈夫です。はい。調子悪かったらすぐに言います。すいません、ちょっとおしゃべりで。俺。
羽伊奈さーん。聞いて聞いて。
今日、家に誰もいないんだ……。
ちょちょちょ、どこ行くどこ行く。
はーいなさーん、一緒に帰りましょー。そして、あわよくば俺の部屋に。
げへ。げへへへ。
ちょちょちょ。待って。待ってって。冗談だって冗談。あ、いいの? 行く! 行くます行きます!
あー。うん。いなかった。見た? どこで? あー、じゃあすれ違いだったのね。まだ旧校舎へは行ってるんだ。よかったよかった。
そう。電話で言った。つってもたいした内容じゃないんだけど――。
到着です。そ。このマンション。
親に感謝。マジリスペクト――ええ? さあ? 四、五万くらいじゃないの? 相場とかよく知らないよ。親が出してくれてるし。田舎のマンションなんてみんな安いっしょ。
じゃーん。本邦初公開。ここが俺の部屋です。あ。引かないでね、引かないでね。うん。フィギュアとかぬいぐるみとか大好きなの。集めてんの。こっからここまでがシリーズになってて、それで――。あ、なんか飲む? はいよ。そうそう。家具とか小物系とかもフィギュアと一緒に置いてやると一気に存在感増すっていうか生きてるって感覚してくるっていうか。
伝わるかわかんないけど。
うん。そこの真ん中、持ってかれた。あのヤロー、俺が結構気に入ってたやつ選んでいきやがって。造形がね。凝ってるのよ。
ああ、その辺の荷物は全部詩衣奈の。そう。たまに来るの。うーん。週二くらいで一応来てくれる。まあ、近いしね。
え? もう帰っちゃうの? まだちょっとしか話して――。
エロいことは? 駄目? おぱんつ見せて? 駄目? 手を握るのは?
ふぇ? へえっ!? なに!? なんで俺は今、ほっぺた撫でられてんの!? あ! 昨日の昼間の仕返し? やだ、そういうことならもっと頂戴っ!
はっ。しまった! ていうか、突然やって来る羽伊奈のそのわけのわかんないスキンシップ手法はなんなの?
母性本能? 反応に困るわ!
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