第17話
2035/11/18(日) 朝十時十五分 封鎖区画EE1378南側地下九階下り階段 副課長・七班男性陣
地下九階に来た段階で、激しい攻防戦に巻き込まれていた。
地下十階と地下九階の間で撃ちあっているというのが正しいのだ。
地下九階に部屋はなく階段しかなかったが、地下十階には事務所と思しき構造物がありそこに陣取って撃ち合っているのである。
グレネイドも景気よく使いたいが、残弾が少なくなっていた。
先ほど痛いのを一個、スモークを三個使っているのだ。
残りは痛いのが二個で、スタングレネイドが三個といったところなのだ。
皆牽制にも弾は使っているので、それなりにしか反撃できていない。
元気なのは
後は前衛であまり弾数が減ってない
元々の装弾数が多いのだ。
そういう私も二十連の予備マグそのものは残り四本まで減っている。
今装填中の弾倉も残り七発まで減らしている。
銀芯の徹甲弾を詰め込んでいるとはいえ少々減りすぎでもあった。
そして致命的なのは、誰も共通弾を使っていないということであった。
全てにおいて規格が違うのだ、当然規格が違うので撃つことはおろか弾倉にも入らない。
一班や二班は共通規格の弾丸を使用しているため、まだマシなのだ。
七班だけは女性陣はともかく、男性陣は弾がバラバラなのであった。
協調性が無いわけではない、だが弾だけは個性なのかバラバラなのだ。
2035/11/18(日) 朝十時十八分 封鎖区画EE1378南側地下九階下り階段 副課長・七班男性陣
私はスタングレネイドと痛いほうのグレネイドを使うことにした、ここは突破せねばならないからである。
順番は痛いほうの三秒信管を投げ込んだ上に、スタングレネイドの順である。
階段上から一気に飛びだし、扉口で撃っていた黒服二人を即沈黙させる。
そのまま扉の右手横に滑り込んだ。
ここの扉は左手前に開くタイプの引き戸であり、すでに開け放たれている。
痛いほうのグレネイドと、スタングレネイドを準備した。
順番通りに投げ込んでやる、痛いほうのグレネイドを蹴りに出てきたヤツがスタングレネイドをモロぐらいして扉から外に飛ばされて来た。
黒服なので、トドメだけは刺しておく。
次の瞬間痛いほうのグレネイドが炸裂した。
広い場所よりも、
スモークミラーで確認した、バリケードは吹き飛んでいた。
だが、銀髪のヤツが出て来ていた。
流石に私では銀髪の奴には、勝てないかもしれないと思った。
ハンドサインで、銀髪のヤツが立ちふさがっていると告げた。
2035/11/18(日) 朝十時十八分 封鎖区画EE1378南側地下十階
折神が出て来た、ハンドサインで相手をすると告げてきた。
折神は右手で黒光するM29を保持している、銀髪のヤツは美形ではあるが冷たい印象ですごくクールな態度であった。
体躯は折神とさほど変わらないだろう、両手で銀色に鈍く光る二丁のデザートイーグルを保持していた。
そして銀髪の相手と、七メートル未満の距離で向き合った。
明らかに、西部劇などでよく見る決闘の図だった。
銀髪のヤツが後ろを振り向いて「コインを上げろ余興だ」といった。
黒服の一人が出て来た、五百円硬貨でコイントスをするようだった。
そして、コインを拾わない方式でコインを上げるといった。
「地獄に戻るがいい」と銀髪のヤツは口走った。
「そっくりそのままお返ししてやる」と折神はいった。
コイントスが実行された。
“キン”とコインが落ちた瞬間二人が同時に動いた。
折神は意表をついて斜め右後ろに飛びながら二発撃ち込んだ。
銀髪のヤツは右前方に飛び込みながら一射づつ撃った。
「クッ、いい腕だ」と銀髪のヤツは顔を
右胸から黒い血を流しながら、
折神には当たっていなかった、意表を突いたのが当たったのだ。
お互いに引いて行く、折神は戻って来て扉の右側に引っ込むと
残弾二発だったらしい、その分軽くなっていたという見方もできるがその度胸には乾杯である。
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