第16話
2035/11/18(日) 朝十時二分 封鎖区画EE1378南側地下八階フロアの高い部屋 副課長・七班男性陣
この部屋には、敵はいないようだなというハンドサインを私は出した。
扉の向こう側は分からないが、今のところ敵は潜んでもいない。
大扉に聞き耳を立てる、すると誰かが比較的大きな声で話す声とそれに反論する声が聞こえて来た。
複数人いる、とハンドサインを出し
ラウは私の後ろに布陣してもらう。
バックアップ二人は柱の陰に隠れてもらうことにした。
鍵がかかっている上に鎖で持って硬く締めあげられているようだが、私にとっては
アセイミーナイフを抜き術を唱え、斬鉄をアセイミーナイフの上に乗せ刀身を魔法的に伸ばす。
この扉は押し開けるタイプの扉である。
右手のモーゼルM712 Flowストックのモードをフルオートにセレクトしておく。
構造はこっちの部屋と似た造りの部屋のようだ、反響音で確認できる。
とりあえず、鎖という縛りとドアの構造上邪魔な鍵を斬鉄で断ち切った。
そのままドアを左側から開け突入した。
部屋の構造は同じだ、怒鳴っている奴は左奥の方角、口論している奴も同じ方角だった。
扉が開いたことによる反応があったが、無視して近場の柱の陰に滑り込んだ。
ハンドサインで左奥とさして反対側(右側)にスモークグレネイドを三つ転がした。
“ドンドンドン”と連続で爆発して白い煙を巻き散らす。
左奥に照星を向け、フルオートで撃ちながら右側に移動し柱の陰に隠れた。
口論自体は止まったようであったが、トミーガンの発射音が連続して響いた。
今度は右側ドアを押し開け長良が滑り込んで来て、さっき私が居たところに滑り込んでナイツアーマメント
左側ドアは空いているのでラウは牽制でM11A2をフルオートでぶっ放した。
2035/11/18(日) 朝十時三分 封鎖区画EE1378南側地下八階フロアの高い部屋 副課長・七班男性陣
ラウは残弾の少ないマグを撃ちきると交換するために、柱の陰に走り込んだ。
私は一旦セミオートに切り替えると、牽制弾を黒服の隠れた近辺に撃ち込み始めた。
現在の布陣はスリートップでツーバックである。
スモークグレネイドの煙はあまり引かず、空調設備がしっかりとしていないものと思われた。
スモークミラーで前方を確認すると、ヤツラは木箱で陣地を作って徹底抗戦の構えとしたようだった。
少し遠かったが、痛いほうのグレネイドを三秒信管の一秒だけ数えて陣地の中に投げ込んだ。
一秒遅れで“ドバン”と爆発し、鉄片と爆風を巻き散らしたようだった。
悲鳴と怒声が、聞こえて来た。
長良のほうに黒服を回り込ませないように私は右端まで寄って、黒服を牽制しつつ確実に手を奪って行った。
トミーガンの発射音は、まだ聞こえるが誰を狙っているわけではなく牽制弾の様だった。
佐須雅は木箱そのものをリンクスⅦ対物ライフルで撃ち抜いて黒服の数を減らしていった。
ふいに折神が、反対側から降りて来た黒服と撃ち合い始めた。
といっても三対一ながら、射撃に定評のある折神はあっという間に蹴散らしてしまった。
元に態勢を戻しつつ、折神と佐須雅が前進してきて扉のところまでやって来た。
2035/11/18(日) 朝十時五分 封鎖区画EE1378南側地下八階フロアの高い部屋北側 副課長・七班男性陣
積んだ木箱が意味をなさないと分かったのか、黒服が階下へ撤退し始めた。
牽制のトミーガンの発射音はするものの、黒服は階下へ撤退していった。
2035/11/18(日) 朝十時十分 封鎖区画EE1378南側地下十階 銀髪の男・黒服の部下
「何だと、南側も進入を許したのか!?」と俺は銀髪をガシガシかきながら指示をし始めた「北側の予備戦力はそのまま、西側の予備戦力を南側に展開させろ。東側は維持させておけ」といった。
すると「西側の予備戦力が、東側の別の部隊に挟撃されています」という報告が入った。
「地下に降りられません!」と来たのだ。
「仕方ねえ俺も出る。南側は何とか押しとどめないと製造工場が危ない、ブツを今の段階で回収して下水に逃げる準備をしておけ。最悪
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます