第11話
2035/11/18(日) 夜十一時 検非違使神戸分署仮八課棟課長室
「えー、以上のことから我々の動きは対処行動に制限されてくると思います」と俺が副課長に報告した。
すると「課長に重指揮車の手配は取ったぞ、いつでも動かせる」と朗報が得られたのであった。
「それと重指揮車の運用は一班の
「昨日から、一班、二班、七班の班数男性陣は夜勤としている。頼んだぞ!」と任されてしまう。
「明日の一時は我らの庭先だからな、ヤツラの好きにさせるな!」というお言葉も貰ってしまった。
「最大限努力します」といって敬礼をしてから課長室から出た。
2035/11/18(日) 深夜零時 検非違使神戸分署仮八課棟待機室 長良・七班・一班・二班
「何としても止めるぞ!」と四月朔日がいう。
「対物ライフルもリンクスⅦですが間に合いましたしね」と七班佐須雅さんもいった。
「副課長は今日、ご出陣なさらないみたいだが。気合い入れて行くぞ!」と二班班長の
「全員搭乗! 浅めで包囲陣を引く」という掛け声が出された。
2035/11/18(日) 深夜零時二十五分 南公園周囲現場 七班・一班・二班
「現着、展開する。現在のところ不審車両無し」という報告が重指揮車の四月朔日班長から上がってくる。
「七班は南西を押さえた、二班には北西を押さえて欲しい」とい情報を流した。
「二班了解、北西に回る」という了承コールが響いた。
「北東はわざと開ける方策だな」と四月朔日班長から報告が上がった。
「重指揮車はデカいんですから目立たないでくださいよ? 南東に隠れていてください」と俺から指示が出た。
2035/11/18(日) 深夜零時五十五分 南公園周囲現場 七班・一班・二班・敵・他
「要警戒車両、現場到着、型は二〇一〇年製のハイエースロング二台、色は濃紺。東方面に向けて、南東路線を進行中」と俺が車両の中から報告する。
「こちら北西、タンドラ一台、ハイエース四台の車列が南東方向に向けて進行中、南公園東側縦筋で会合の予想」と二班から報告が上がった。
「奴さんお出でなすったぞ、みな気を引き締めてかかれ、南側は重指揮車で塞ぐ!」と四月朔日班長から指令が飛んだ。
「北側はいつも通り検非違使のバンの装甲強化型で塞ぎます」と二班衣笠から宣言が飛んだ。
2035/11/18(日) 深夜一時 南公園東側道路中央辺り 七班・一班・二班・敵・他
「今回は相手が荷受けしている最中を襲う、各班タイミングを合わせろ、しくじるなよ!」と四月朔日から指示が飛んだ。
七班は現場から比較的離れているため、小走りで現場まで急いだ。
近くなってから徒歩に切り替え静かに接敵ラインまで移動の後、
重指揮車はすぐそこまで来ていた、タイミングはドンピシャといったところだろう。
七班の面々は遮蔽を上手くとりながら、接近に成功していた。
ヤツラは丁度、それぞれのトランクの中身を確認している最中だった。
2035/11/18(日) 深夜一時二分 南公園東側道路中央辺り 長良・七班・一班・二班・敵
ヤツラがトランクケースを交換した。
取引が成立したところだった。
北側からヘッドライト他投光器などで煌々と照らされた、二班が先に仕掛けたのだ。
あくまでも追い込み漁の追い込み役なのである。
その間に静かに重指揮車が南側の出口を塞いだ。
「七班位置に着いたぞ」と静かにいった。
二班がM-8で、射撃開始した。
五点五六ミリのアサルトライフルであるため、牽制効果にしか役に立っていない。
ただ、いまの射撃で濃紺のハイエースロングのタイヤはバーストした。
プローンの体勢から、二脚架を立てて俺は三点バーストで撃ち込み始めた。
佐須雅さんもリンクスⅦを立ち位置でホールドしながら撃ち込み始めた
西側反対側東側では、ラウと折神がタンドラに対して45ACPと44マグナムを打ち込み始めたが「チッ、防弾だ44マグが通らん、佐須雅さんタンドラをハチの巣に出来ないか?」という支援要請を佐須雅さんに向けた。
「了解した、タンドラに集弾させる」といい返事が返って.50BMGをタンドラに撃ち込み始めた。
流石に十二点七ミリの徹甲弾には、無防備なのかフロントシールド面に大穴が空いて行った。
佐須雅さんはそのままタンドラのフロントをハチの巣にして、走行不可能な状態に追い込んだ。
俺も黙っていたわけではない、背中の見えている構成員をナイツアーマメント
いかな肉体が強化されていて防弾チョッキを着ているとはいえ、それはあくまでも表側の話で裏側は普通のスーツであろうと踏んだからであった。
その勘は当たりで、背中まで防弾チョッキは着けていなかったらしく、被弾していき負傷者が増えていったようだ。
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