第4話 配合魔人の誕生



【最終進化:魔人 に進化しました】

【魔人になったことで、ステータス画面の表示が可能になりました】

【『ステータスオープン』と呟けば、開きます】


 ステータス?

 それはつまり……魔物のように、ウィンドウが開けるという意味か?


「ステータスオープン」


────────────────────


【名 前】:アルガ・アルビオン

【年 齢】:18

【種 族】:魔人

【等 級】:E

【職 業】:テイマー・配合術師

【レベル】:1


【生命力】:62/62

【魔 力】:36/36

【攻撃力】:81

【防御力】:80

【敏捷力】:92


【汎用スキル】:鑑定眼 LvMAX


【種族スキル】:配合魔人 LvMAX

        蜘蛛糸 Lv3

        

【固有スキル】:最終進化者 LvMAX


【魔法スキル】:なし


【職業スキル】:《仲間術テイム》 LvMAX

        《配合術ミックス》 LvMAX


────────────────────


「お、お?」


 ステータスの変化が激しい。

 なんか色々追加されているし、そもそも種族まで変わっている。

 さっき配合した魔物たちよりも、ずっと強くなっている。


 これまで通りなら、疑問に思うだけで終わっていただろう。確認をしたくとも、確認ができないのだから。

 だが、今の俺は違う。【鑑定眼】のスキルが俺の知るモノならば、自分のステータスの詳細を確認できるハズだ。


「まずは……これから」


 おそるおそる、【種族:魔人】をタップする。

 すると、新たなウィンドウが現れた。


【種族:魔人】

人間と魔物の力を持つ種族。

魔生物学分類上は魔物である為、ステータス画面の表示が可能。また、レベルアップも早い。

種族の特徴として、生まれた時から【汎用スキル:鑑定眼】を持つ。

キメラやホムンクルスとは違い、魔物の力を100%使える。

 

「よしッ! 思った通りだ!」


 続けて気になる項目を、次々とタップしていく。


【職業:配合術師】

生命体の配合を可能とする職業。


【汎用スキル】

努力すれば誰でも習得可能なスキルの総称。


【種族スキル】

特定の種族でしか習得できないスキルの総称。


【固有スキル】

特定の個体でしか習得できないスキルの総称。

また、他のスキルに当てはまらないスキルも、固有スキル扱いされる。


【魔法スキル】

魔法が使えるようになるスキルの総称。


【職業スキル】

特定の職業でしか習得できないスキルの総称


【汎用スキル:鑑定眼】

万物を鑑定可能になる汎用スキル。

鑑定したい物を見る、あるいは触れることで詳細をウィンドウにして表示できる。

鑑定術師になれば習得できる他、独学でも習得可能。


【種族スキル:配合魔人】

配合によって生まれた魔人が有するスキル。

このスキルを有する者は、以下の効果が発動する。

・配合によるレベル減少が生じない。

・配合による容姿変化が起きない。ただし自身に配合を施した初回時は、容姿変化が起きる

・配合を行う度、全ステータスが+5される。


【種族スキル:蜘蛛糸】

主にクモ系の魔物が習得可能なスキル。

クモの糸を噴射可能になる。

レベルが上がるにつれ、糸の強度と伸ばせる距離が伸びる。


【固有スキル:最終進化者】

最終進化に達した者が習得可能なスキル。

このスキルを有する者は、以下の効果が発動する。

・獲得経験×2

・必要経験値2分の1

・全ステータス+5

・進化不可


【職業スキル: 《仲間術テイム》】

テイマーのみが習得可能なスキル。

対象の魔物を仲間にできる。


【職業スキル: 《配合術ミックス》】

配合術師のみが習得可能なスキル。

生命体同士を配合できる。


「よし、大体わかった」


 とりあえず、俺は人間を辞めたようだ。

 魔物……いや、『魔人』という種族になったらしい。あまり実感はないが。


 魔物は人間よりもレベルアップの速度が速い。俺も魔物になったことで、その恩恵を受けることができるようだ。

 さらに【固有スキル:最終進化者】のおかげで経験値を2倍獲得でき、さらに必要経験値が2分の1になる。だから普通の魔物よりも、さらにレベルアップ速度が早い。


 そして、配合をしてもレベルが下がらないようだ。

 配合を行う度にステータスが+5される効果もある為、レベル10を超えたら毎秒配合を行おう。


「初回時は容姿の変化が起きるらしいけど……見た目は変わらないな。詳細欄に誤りか?」


 鏡を見ても、容姿の変化はない。

 以前と変わらない、陰気な男が鏡に映っている。……もう少しイケメンに生まれたかった。

 自分の顔を見て、ため息が零れた。


「落ち込むのは後にしよう。俺は圧倒的に強くなれたんだから」


 ステータス的にB級冒険者相当の強さを手に入れた。

 万年E級でバカにされてきた、この俺が。

 不遇職テイマー故にレベルアップが遅く、ステータスが中々伸ばせなかった俺が。

 たった1度の配合によって、ここまで強くなれたのだ。


「それに加え、3匹の仲間がいる。俺は……最強のパーティを作れるんじゃないか?」


 冒険者のいただき、SSS級も夢じゃないかもしれない。

 最強のパーティを築き、人類未踏の迷宮に挑める日も近いかもしれない。

 そう感じさせるような強さを、俺は手に入れたのだ。


「カナト達……俺を追放したことを後悔させてやる」


 もっと強くなってやる。

 誰も彼も、俺をバカにできないほどに。

 テイマーのことを”不遇職”と呼ばせないほどに。

 もっと、もっと、もっと……強くなってやる。


「とりあえず、力の確認をするか。俺がどれだけ強くなったのか知りたいからな」


 俺は3匹を影に収納し、街に戻った。

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