第6話 オークの痕跡

「ねえ?本当にこの辺りなの?」




オークを追い、オタルの肩に乗ってに山に登っていたフレイヤは一旦地面に降り、オタルにそう問いかけた。




「はい通ったことは間違いありません。多分もう縄張りかなと」




「まさか、こんな近くを通ってたなんて」




オタルとフレイヤは山の中腹にたどり着いていた。フレイヤはうっすらと見える昼間いた小さな村の明かりを見る。




「夜だと全然見えるじゃない」




「よかった、もし夜だったら見つかって、襲われたかも知れないですね」




(ちょうど私が魔物退治に村を離れてた時だったら)




村がオークに見つからなかったことに安堵し、オークの痕跡を調べるオタルに声をかける。




「で、ある程度わかってんでしょ?」




「はい、多分数は10頭後半、それと、、人が数人、子供が二人」




「急ぐわよ」




「あの僕一人でも・・・」




「信用してないっていってるでしょ。」




「はい、、、、わかりました」




ーーーーーーーーーー




少し前になる。怪我をしていた少年トラエの事情をフレイヤは聞いていた。




本当なの?




「はい、この村から離れたところで馬車が襲われてました。20人の家族ぐるみだったみたいです、全員殺されていました。


トラエだけ生き残っていて、事情を聞いて、、、」




「で、それを追ってきたって?」




「はい」




「どうするつもり?」




「殺します」




「・・・・・」




オタルは間を空けずにそう答えた。




「・・・わかった」




「信じてくれるんですか?」




「信じられないからいくの」




その言葉にオタルは、何も言わずに、はい、と答えた。








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