イメージの変化と全ての変化

第13話 森本の家庭の事情

それぞれがそれぞれの思惑を抱えて.....生きている。

やはり人間は人間だなって思う様なそんな感じだな、と思える。

俺は思いながら歩いて帰る。

その際に喫茶店を見掛けてから俺は森本を見る。

何故か俺は声を掛けてしまった。


「喫茶店に寄らないか」


「.....え?!いいよ.....そんなの」


「いや。今日の分のお礼だよ。.....それも兼ねて.....寄りたい」


「.....どうしたの?らしくないね」


「俺だって優しい時は優しいぞ。なんて事言うんだ」


そして俺は膝を曲げてユウちゃんを見る。

お前だって寄りたいよな?、と聞くと。

ユウちゃんは、うん!たのしみ!、と言った。

俺はその言葉に、だってさ、と森本を見る。

森本は赤くなりながら、そ。そう、と言ってくる。


「じゃ、じゃあお言葉に甘えようかな」


「おう.....と言うかその。話をしたいのもあってな」


「.....え?何の話を?」


「お前の家の話とかな」


「.....え?.....知りたいの?」


「知りたいと言うよりは興味があるって感じかもな」


言いながら俺は笑みを少しだけ浮かべる。

その姿を見つつ驚きながらも森本は笑みを浮かべる。

そして喫茶店に入る。

それから店員に促されて席に座った。

真っ先にその事を聞いてみる。


「お前は仲が良いのか。リア充共とは」


「.....え?仲?それなりだよ?」


「そうか。.....でもまあ一応気を付けろよ。.....特に遠野に」


「え?」


目をまた丸くする森本。

アイツは.....非リア充を何とも思ってないかもしれない。

そして森本から聞いたが森本は、非リア充、だという事だからな元は。

結局人間ってのは信頼出来ない部分もある。

それに気を付けなくてはならないだろうしな。


「遠野くんは明るくて良い人だよ?大丈夫だよ」


「.....人間ってのは信頼出来る面と信頼出来ない面がある。.....だから念の為に気を付けてほしいんだ。特に明るい奴が最もな」


「.....???.....分かった。長門が言うならそうなんだろうねきっと」


「.....ああ」


森本は横でメニューを見ているユウちゃんの頭を撫でる。

それで話ってのはそれの事?、と言ってくる。

俺は、まあその話がメインに近いが.....まあ良いかこういう話は。

思いながら俺は森本を見る。


「お前の家庭ってどんな感じなんだ」


「.....私の家庭って複雑だよ。今はホステスなの。お母さん。.....それでお父さんは病気を患っていて家で横になっているから.....私達が実家を支えている感じかな」


「.....ヤングケアラーか」


「ちょっと違うかもだけどそうかもね」


「.....お前も大変だな」


うん。でも私は幸せだよ。

この今の状況が、と言う森本。

でもお父さん.....余命宣告されているからいつか亡くなるんだ.....心底には幸せとは思えないけどね、と言う森本。

俺は見開きながら、そうなのか、と言葉を発した。


「メラノーマ。.....それで転移してるの」


「.....所謂、悪性のガンだな」


「詳しいね。君」


「.....ブラックジ◯ック読んでたしな」


その中で出てきた。

確か脳の中にある悪性のガンだ。

俺はその事を思い出しながら森本を見つめる。

すると森本は、ちょっと汚い話になるけど性器の裏側の辺りに出血する黒子が隠れていたの。それでおかしいなってなて見てみたらシミで真っ黒。メラノーマだったんだ、と話した。


「.....」


「.....それで今は寝たきりだよ。末期癌だった」


「噂に聞いていたがそんなに酷くなるんだな。進行早いんだよな。悪性黒色腫」


「うん.....性器の周りなんて見ないもんね。あまり」


「.....」


女子が性器、性器って言うな、と突っ込みたいが。

そんな事情なら突っ込みようが無い。

俺は思っていると店員さんがやって来た。

ご注文は如何致しますか、と言いながら、である。


「じゃあコーヒーと.....森本は何にする」


「私はカフェラテにしようかな。.....ユウちゃんは?」


「パフェが食べたい.....!」


「.....そんなに高いのは駄目だよ。お兄ちゃんが困るから」


俺はその言葉に首を振った。

それから笑みを浮かべる。

何でも食って良いよ今日は、と言いながら。


森本が驚愕しながら俺に向いてきた。

心変わり?、と言いながら。

違うけどな。

誤解するんじゃねぇよ。


「ただ単にお世話になったからな。.....だからお礼がしたい」


「.....でもこれ高いよ?私の分だってそんなの.....」


「気にすんな。大丈夫だ」


うん。じゃあこの分は今度お礼するから、と笑みを浮かべた森本。

俺は、だな。それで構わない、と言いながら森本を見る。

何だかな。

コイツのイメージがかなり変わる。

今までずっとチャラい女と思っていたのにな。


「.....ったくリア充ってのは.....全くな」


「.....ん?何か言った?」


「何も言ってない。.....まあ少しだけ考えの呟きを言っただけだ」


「.....???」


リア充のイメージってのは俺にとっちゃ悪いイメージしかないからな。

そう。

あの友人のせいで、だ。

だから.....イメージは悪いイメージしかないが。


森本のお陰で.....覆されていっている気がする.....。

まあ悪い意味じゃないが。

こういうのも悪くないかな、と思ってしまった。

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