第9話 恋で上げて.....落とす?
何というかあざとい1年坊.....というか。
鈴木という名前の女の子から色々と注文を受けた。
俺はクラスに登校してやって来てから.....耳にイヤホンをつける。
これぞまさしく音無し観察である。
音楽をかける事無くボッチは耳に何気ないイヤホンを装着する。
それから周りを観察するのだ。
後これにラノベを足せば布陣は完璧だ。
誰も俺に.....
「おーい。長門」
「.....」
「長門ってば」
「.....」
森本の声を、音楽聴いてます、的な感じでスルーしていると。
その森本がイヤホンをデコピンで弾き飛ばす。
それで俺は思わずブヘッと言いながら吹き出した。
醜い様な感じで.....であるが.....つーか!
この野郎め何しやがる!!!!!
「あ。やっとイヤホン外したね」
「馬鹿野郎!何しやがる!」
森本に文句を言いつつ。
俺はジト目になる。
本格的に何の用事ですかね。
思いながら居ると森本は何かを差し出してきた。
それは.....緑色の包みといえる。
何だこれは?、と思っていると森本が、何時もパンばかりだと飽きるだろうから、と言ってくる。
まさかと思うが、と思いながら包みを開ける。
そこには弁当箱があった。
「お前.....まさか作ってきたのか?」
小声で話しながら見つめる。
すると森本は赤くなりながら俯いた。
それから笑みを浮かべる。
有難う。何時も、と言いながら。
そして戻って行った。
「.....うーん。何が起こっているのか.....」
やれやれな感じだな。
思いながらリア充のパーティーを見る。
ドラ◯エのルイ◯ダの酒場の様な場所を、だ。
そして溜息混じりでコソコソと弁当箱を鞄に直した。
それから溜息を吐きつつトイレに行こうと立ち上がる。
「.....変わったな。アイツらの印象」
そんな事を呟きながらであるが。
そして俺はトイレに行った。
そういえば4月だが.....テストがあるな。
中間テスト。
面倒臭いが.....頑張らないとな。
高2の春だしな。
☆
「雑草先輩♪」
「.....良い加減にその嫌味を言うのやめてくれない?っていうか何のご用事。今.....5時限目の休みなんだけど.....」
「はい。そうですね。.....私、生徒会に入っているんですけど.....手伝ってほしいです。放課後に書類整理」
「.....アンタばかぁ?」
「あ。それエヴァンゲ◯オンですよね?」
もう一回やってみたらお前は知ってんのかよ。
思いながら俺は鈴木を見る。
鈴木は、はい♪、的な感じで俺を見る。
というか何しに来たんだよマジに。
羽田に用事じゃ無いのかよ。
「2年生の教室って来てみたかったんです。枯草先輩のお陰で来れました」
「微妙に変えるな。俺の呼び名」
「アハハ。感謝しています。枯草先輩」
そんな事を言いながら居ると。
眉を顰めた森本がやって来ながら、優子さん。何故居るの、と聞いてきた。
そんな森本に鈴木は、枯草先輩に用事です、と笑顔を浮かべる。
あざとい笑顔だ。
なんかギスギスだな本当に。
「.....長門も忙しいから」
「忙しいんですか?雑草先輩が?」
「俺を何だと思ってんのお前」
「ボッチですよね?それだったら暇とか暇じゃないとか無いと思います」
「.....」
その点は.....まあ少なくとも納得出来るね、と頷く森本。
コイツ.....、と思いながらだったが。
森本は更に言葉を続ける。
だからと言って生徒会室に呼ぶのはどうかと思うけど、と言いながら。
ふむ。確かにな。
他の生徒も居るのにな。
何故に俺?
「もしかして別の理由があるでしょ。相談に乗ってほしいとか」
「.....だったら何です?何が悪いんですか?」
「.....わ、私は.....」
「.....!」
その動揺にニヤッとした鈴木。
それから、成程ですね、と言いながら俺を見てくる。
何が成程なのか分からないんだが。
だがその答えを鈴木は言わず。
そのまま、じゃあ枯草先輩。放課後♪、と言いながら笑顔で去って行った。
オイオイ。
「何なんだ.....」
「長門」
「.....?.....何?」
「あまり彼女の相談に乗る必要無いから。おちょくってると思う部分もあるから」
「.....そ、そうか」
かなり鬼気迫る顔で俺を見てくる森本。
それからリア充グループの元に戻る。
雪子が、どしたの?アンタ、と聞いている様だが。
まあ興味は無い.....が。
何だ一体さっきの鈴木の笑みは、と思ってしまった。
「.....嫌な予感しかしない.....」
そんな事を呟きながら。
次の時間を迎える。
この次の時間は.....古典だった。
面倒臭いもんだな。
しかも小テストって抜き打ちかよ。
☆
全く面倒臭い.....。
思いながらやって来たのは生徒会室。
そして律儀にこなすのも面倒臭い。
何故俺はこんな性格なのかな?
嫌いになっちゃうよ?
コンコン、とノックをしながら考える。
「はーい。あ。枯草先輩」
「.....お前一人か?」
「はい。今終わって解散です。.....会議だけでした今日は」
「ふーん。そうか。俺も帰って良い?」
「はい。.....ってそんな訳無いでしょう。何を言っているんですか」
だって面倒臭い。
それに俺はラノベもゲームもしたい。
エッチなゲーム。
目黒ちゃんが待っているからな。
思いながら溜息を吐きつつ前を見る。
「ところで何のご用事」
「.....簡単に言うとですね。相談です」
ニコニコしながらそう言う鈴木。
何の相談だよ、と思いながら鈴木を見る。
すると鈴木は、あのですね。先輩。私とデートして下さい、と言ってくる.....ハァ!!!!?
突拍子すぎるだろ!!!!!、と鈴木に向く。
「何?君は俺が好きなの!?」
「羽田先輩とデートするルートを考えたいんです」
「あ。そういうことか.....ビビった」
「そうですよ?本当にりy.....何でもないです」
「利用しやすい訳ね?分かった」
そんな事言ってません。
と目を逸らしながら言う鈴木。
あのな.....そんな事をされてでは説得力ねぇよ。
と思いながら案内されたので生徒会室に入る。
すると、雑草先輩、と言ってくる。
「.....雑草先輩は恋をする気はあるんですか?」
「.....何の話だ。いきなり過ぎる」
「いや。女の子に告白されたらそのまま付き合うのかなって」
「0だ。.....その可能性すらない」
「それは卑屈ですね。枯草先輩」
オウ言うたな。
俺はボッチなんだぞ舐めるな。
何処にその可能性があるんだよ。
そもそもデートに誘われたの初めてなんだぞお前が。
考えながら細い目で鈴木を見る。
すると鈴木は近づいて来て真剣な顔で俺を見てきた。
「な、何だ」
「枯草先輩」
「何?」
「はっきり言います」
「.....なに.....を?」
枯草先輩は全く魅力が無いです、と。
コイツ.....期待させてドン底に突き落としやがった。
このクソバカ女はやっぱり殺す。
思いつつ睨んでいると。
アハハ、と言ってながらこう告げてくる。
「でもそれって別の意味ですよ」
「.....は?別の意味?どういう?」
「内緒ですよ♡」
うーん。女子ってヤツは.....。
散々ドキドキさせて期待外れをさせるのがやっぱ得意だな。
だから2次元が良いんだよな。
3次元大嫌い。
そう考えながら.....書類の山を片し始めた。
全く.....何故俺がこんな目に.....。
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