関わるのキツいんですが.....何故俺?
第7話 羽田という人間と長門という人間
ピコンピコンピコン.....。
何だよ!!!!?
自室にて俺は怒りに任せて横に置いてあるスマホを観た。
さっきからピコンピコンとスマホが通知音が鳴りやがってうるせぇな!?
俺はラブコメに熱中したいんだぞ!せっかく宿題したってのによ!
(ねえ!無視しないでよ!)
(喧しいわ!!!!!何か用事ですかね!?)
(当たり前でしょ!羽田くん達と一緒に買い物に行くって言ってるでしょ!羽田くんの相談はまだ終わってないからね!)
(馬鹿野郎か!?俺が一緒に行けってか!?アホなのかお前は!何で俺がリア充と行動を共にしないといけないんだ!)
(リア充リア充と煩いね!私達はそんなつもりないって!!!!!)
このクソ女!
本当に煩い!!!!!
思いながら俺は通知を切ってガン無視する.....。
すると電話が掛かって.....きやがった。
この野郎!?
『何で無視するの!私が精一杯誘っているのに!』
「俺はな.....小説を読みたいんだ!だから邪魔すんな!!!!!」
『どうせエッチなラノベとかいうヤツだよね!暇じゃん!』
「ちょ。大きな声で言うな!!!!!」
暇だったら一緒に来てよね!じゃないとギスギスしているから!、と言ってくる森本.....!
この.....、と思ったが。
面倒だ何も言うまいと思って黙った。
するとゼエゼエ言いながら森本が話してくる。
『あのさ』
「.....何だ」
『八女くんって恋しているの?もしかして優子ちゃんに』
「.....あー」
そういやそういうのもあったな。
ってか何でそれを知っているのだ。
俺は眉を顰めながら、何処で知ったんだ、と言葉を発すると。
するとクスクス笑いながら、八女くんって隠し事苦手だから、と言う。
だって優子ちゃんの前だと固いしね、と言いながら。
『だから恋をしているんじゃないかなって思ったの』
「アイツはアイツなりに頑張っていると思う。無理に口出しはしない方が良いぞ」
『うん知ってる。八女くん.....必死に頑張っているから。だからその。八女くんの相談にも乗ってくれない?』
「二択にしろよそこは.....。知られたら修羅場だぞお前」
『良いから。私と八女くんと長門でね。.....どっか恋バナするのに喫茶店で話そうよ』
それは俺も強制です.....よね?
何で俺も行かなくちゃいけないんだ。
しかも人の恋愛に巻き添えになる様な。
こんな修羅場はゴメンだぞお前。
どうなっているのだ.....。
「あのな.....いや。良いけど.....全てに知られると面倒だぞ」
『.....まあそうだね。だから気を付けてやるよ』
「.....それなら良いけど.....面倒だな.....」
そんな会話をしていると。
インターフォンが鳴る。
夜遅いし.....宅配便かな。
思いながらまだ帰って来てない両親の代わりに妹に任せてから会話を続けようとした.....のだが。
お兄ちゃーん!なんか相当にイケメンなクラスメイトが来たよー!、と階下から大声がしてきた。
は?何.....!?
俺は電話を切ってからそのまま階下に行くと。
そこに.....羽田がかなり申し訳無さそうに立っていた。
やあ、と言いながら俺を見てきている。
相変わらず180ってのはスゲェ身長だな、と思っている場合か。
何がどうなっているんだよ!?
「何でお前がこの場所に!?」
「実は俺の家って近所なんだ。.....それで今日は来たんだ」
「.....あっそ.....」
もう驚くのも疲れた。
よく見たら額に絆創膏を貼っている。
俺はその姿を見ながら、傷は大丈夫か、と聞く。
羽田は、ああ。気付いてくれて有難うな。実はその件で来たんだ、と言ってくる。
クエスチョンマークしか浮かばない。
「何?どういう用事だ」
「そうだね。2つ用事があって。先ずは伝えるべき事を伝えようと思っている。.....一応、田中さんと鈴木さんに謝ってもらったのと.....それからもう一つなんだか俺は実は.....誰とも恋として付き合いたく無いんだ」
「謝ってもらったのか。そりゃ何より。.....というか恋をしたく無いとは?意味が分からない。それにお前自身に恋をされているのを知っているのかお前は」
「知っているよ。みんなが一体何をしているのかぐらいな。隠していても無駄だよ。俺は察しが良いからな。それを知ったからこそ俺は今日来たんだ。.....俺は勉強と部活に専念したいんだ今は。この事は誰にも知られたくないのもあって今日君の元に来た。.....お願いがあるんだ」
「.....?.....何だ」
「田中優樹菜(たなかゆきな)さんと鈴木優子(すずきゆうこ)さんが俺を好いている.....んだよな。それに上手く断りを入れたい。上手く.....告白の断りをな。傷付けたくないから.....。それで.....その。申し訳無いんだが君にアイデアを聞きたいんだ。俺だけじゃ解決出来ないかもしれないからな」
そんな感じで言ってくる羽田。
コイツいや完全にモテ男のセリフじゃねーか.....。
いやというか。
何言ってんの?
何故に皆さん俺を頼るのよ.....?
「.....何かアイデアが浮かんだら是非共に知らせてほしいんだ。.....極秘裏にしたいから連絡先を交換しようか」
「ああもう.....どいつもコイツも.....不器用だな.....」
「.....ハハ。そうだな。すまない.....本当に」
そして連絡先を仕方が無いので交換した。
よく見ればその顔は何か深刻な感じを見せている。
俺は?と思って.....一瞬だけ見えたその顔の事で顎に手を添える。
よく考えてみればコイツの家って確か大地主でかなりの大金持ちだったよな?
その事が関わっているのか?
と思ったが、面倒か、と思い聞かない事にした。
それに聞いても答えないと思うしな。
「.....君のアイデアは恐らく使えるから。.....だから俺に君のその脳で考えたアイデアを使わせてほしい。それなりのお礼はするから」
「まあそれは良いけど.....。というか何でそんな事などを.....言えるんだ。自信を持って」
「.....正直に言おうか。.....君と俺は似ているからな。同胞の様な感じに思えるんだ」
「.....馬鹿か。何処が似ているんだか」
羽田は少しだけ自嘲気味に笑いながら俺を見てくる。
君の目が俺の目と似ているんだ。
過去に何かあった様なそんな目をしている。
人の顔を俺はあまり見ないとそんな事に気付くんだ。特に君はな、と言う。
何だコイツ.....!!!!!
「知ったふりして聞きやがって。それが一番ムカつくっての!」
「.....!.....ああ。すまない。そうだよな。調子に乗り過ぎた。謝る」
「.....ああ。何も聞くな。.....俺とお前は次元が違うしな。それに」
「そんな事はない。.....ああいや。何でもない。.....すまない」
何だよコイツ.....。
ドロドロしたヘドロの様な感じが見える。
俺はイライラしながら、もう帰ってくれ、とだけ言った。
それから、そうだな、と言って頭を下げてから踵を返した。
その時に俺を見てくる。
「.....言うのを忘れていた。今日はすまなかったね。君にとっては無駄な時間だったな本当に」
「.....」
「学校で待ってる。.....宜しくな」
「.....はいはい」
軽くだけあしらってから。
俺は手を振って出て行く羽田を見送ってから。
そのまま盛大に溜息を吐いて玄関ドアに鍵を掛けた。
そして玄関を背にした。
イラつきながら.....。
しかしこれは情けねぇな。
「乱すな俺。乱すな俺.....。.....全く俺らしくない」
胸に手を添えながらドクンドクンと振動する心臓を抑え込む。
しかしこれはマジに腹立たしい。
思いつつ俺は玄関ドアを一回だけ叩いてから目の前を見る。
そして歩き出す。
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