第4話 何故にリア充の恋バナ相談が俺.....。

リア充と一緒に何故か知らないが.....カラオケ屋に行く事になった。

それもクラスの半分を引き連れて、であるが。

クラスの半分.....って何コイツら.....羽田グループの忠実な僕か何か?

俺は思いながら盛大に溜息を吐きつつ歩く。


「つってもカラオケ部屋ってそんなに入らないから各々分割な」


「「「「「おー!」」」」」


何でそんな簡単に分割出来る。

俺は額に手を添えながら考えていると。

羽田グループの中のメンバーの森本が俺に話し掛けてくる。

今日は楽しい日にしようね!、と言いながら、だ。

何故コイツは俺にこんなに絡んでくる。


というのも不良から救ったからだろうけどそんな事で俺に話し掛けるか?普通。

考えながら顔を引き攣らせながらも、ああ、とだけ答えた。

曖昧な返事だが、だ。

取り敢えず早く帰りたいです。

思いながら貧乏籤でも引いた感情でカラオケ屋にやって来る。


「んじゃ早速だけど分かれるか」


「ウェーイ」


で。

結果として俺は羽田のグループになる。

そりゃまあそうなるわな。

と思いながら頭を掻きつつ気配がして背後を見ると.....どうやら羽田の恋しているらしき相手2名が立って俺達を見ていた。

うわー美少女だー。


「優先輩!」


「先輩!」


1人は栗毛色の髪の毛をしたショートの女。

そしてもう1人は黒髪のボブの女。

2人共にどうやら1年坊主の様である。

名前は当然分からない。


俺は苦笑しながらその2人を見ていると。

1年坊主達が俺を見て?を浮かべた。

何だ一体、と思っていると、とんでもない事を1年坊主。

栗毛色の方が言った。


「この腐った雑草みたいな人誰ですか?」


初対面の相手に喧嘩売ってんのかコラ。

思いながら俺は言ってみる。

見ろ女帝がマジに笑いのツボに入っているからな。

誰が腐った雑草だマジにぶっ殺すぞ。

考えながら眉を顰めて居ると。


「もー。優子ちゃんそんな事を言っちゃダメだよ」


何というか珍しく森本が役に立った。

栗毛色の少女は目をパチクリする。

腐った雑草と言った女だ。

俺はジト目で見る。


「そうですかぁ?でも何だかこの人、場違いですね。どうしたんですか?」


「まあ確かに場違いではあるけどね。今日はちょっと相談に乗ってもらう為に来てもらったんだ」


場違いを認める様な言い方すな。

その言い方はノーセンキューだぞ。

遠野君ったらマジに毒舌過ぎるんだが。


腹立つなオイ.....。

と思ったが確かに場違いなので息を整えようと思い離れた。

その姿に早速と森本が聞いてくる。


「あれ?何処に行くの?長門」


「トイレだ」


ちょっと長くなるけどな。

勘弁してくれ。

終わりまで出て来なかったら許せよ、と思いながら歩いていると背後から、ちょっと良いかな、と声がした。

背後を見ると八女が立っていて俺をニコッと見ている。


「俺も便所」


「.....今時.....便所とは言わないと思うのだが」


「まあまあそう言わず行こうぜ」


「.....なんでお前とトイレなんぞ」


そこまで言い掛けると八女が、頼むわ、と真剣な顔をした。

何だコイツ.....、と思ったがそんなに真剣な顔されては断りづらい。

どうしたのだ、と思いながらトイレまでやって来る。

すると八女が便器に向かいながら、あのさ。今日は羽田っちの恋愛の為に来たんだよな?この場所にオメーさんは、と言ってくる。


「まあそうだな。.....それがどうしたのだ」


「.....邪魔して悪りぃんだけど実は優子ちゃんに俺っちは恋をしているんだ」


それはまた厄介なこったな。

それがどうしたのだ。

俺には何の関係も無いのだが.....。


正直言ってヤバい三角関係になるだけだろ。

思いながら、八女。それがどうしたんだ、と聞く。

すると、おう。やっぱオメーさんらしいな、と笑う。


「でもオメーさんには相談出来ると思ってな。.....どうしたら良いと思う?」


「いや。何故、俺.....」


「口がマジに硬そうだからな」


「.....」


そんなに信頼されても困りまする。

思いながら俺は顔を引き攣らせながら八女を見る。

俺は顎に手を添えて考えてみるが。


今思い付く方法は.....先に告白するぐらいしか無いんだが。

でもそうだな.....それで振られたら元も子もない。

例えば俺の読んでいるラブコメならどうするか......。


「.....さりげなく誘ってからアピールするのはどうだ。.....外側から溶かしていったらどうなのだ。チョコレートみたいに。相手はまだお前に向いてないと思うし意識もしてないと思うしな」


「先に先制で告白とかじゃなくてか?」


「止めとけ。焦る気持ちは分かるが破滅したら意味無いだろ。1回しか受け付けないぞ女子はそういうのはきっと。こういうのは陣地を埋めていくんだ。それが恋ってもんだろうと思う」


「.....ふーむ。馬鹿だからな俺。別視点の考えも必要か。.....やっぱりスゲェなオメーさん。.....流石はユナちゃんが目を付けただけあるわ」


手を洗いながらニカッとする八女を見る。

どうでも良いのだが.....うん。

全てがどうでも.....というかあの毒舌女を好きになってどうするのだ。

リア充の思考回路はよく分からん。

と思いながら八女を見ていると。


「森本はオメーさんが好きなんじゃないのか?」


「満に一つ無い。絶対に無い」


「ほっほう?それはないと思いますが。オメーさんのやった事は学校中で噂になる程に有名になっているぞ」


「.....そんな噂は直ぐ消えると思うが。それも下火になってな」


「うーん?そんなもんかね?.....まあ良いや。んじゃ俺は先に行くから。有難うな相談乗ってくれてよ。オメーさんも早く来いよ」


八女は手をヒラヒラさせて去った。

しまった。

八女の無駄な恋話を聞いていたらトイレという快適空間に居られなくなった。


予定が狂った。

どう責任取ってくれんだ八女。

思いながらも、仕方がない、と呟きながらそのままトイレから出た。

そして直ぐに待ち構えていた森本に捕まる。

いや.....離してくれ.....。

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