ベティと翔


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 ベティは倉庫の2階で目を覚ました。彼女の口には二人の日本人男性によって白い粘着テープが二重に巻かれている。男たちは飲食店の店員だった強盗で、500万円を自分たちのお金にして使うためにベティを連れて行ったのだ。


 「ベンさん、俺がこの小さいブザーの音を出します。男たちが出てきたら、顔にペンキをつけてくれませんか?」「分かった」翔とベンはブザーとブラシをそれぞれ手に持ち、倉庫の前へと近づく。ピリリリリリ、という音に、男たちが驚いて出てきた。

 ベンは二本のブラシでピンクと黒のペンキを男たちの顔につけ、モーントとインターナショナル・クラス・スクールの体育教師鯛太郎が男たちを拘束した。

 翔は倉庫の2階に入り、ベティの肩をたたいて粘着テープをはがしシャーロットと

チャーリーのところへ戻る。二人は泣きながら娘を抱きしめた。

 「マーチ、ありがとう」「あぁ」マーチはコーラのコップに残っていた氷を歯で砕きながら答え、サーモンの握りを食べに行った。


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 「ベンさん、モーントさん、鯛太郎先生。ありがとうございました」翔が頭を

下げると、3人は「ブザーの音に驚いた」「朝と夕方に走ってるからな」と答えて

歌子の歌に合わせて踊る。翔はベティと手をつなぎ、校内の1階に入ってビッグベンを一緒に見ながら話し始めた。

 

 「8年前、お前の家で食べたチャーリーさんが焼いたチーズとバジルのピッツア、美味しかった」「父さんはピッツア職人だった。黒オリーブが入ったピッツアは1日40枚焼いてたの」ベティは翔の肩に両手を置くと、ひたいに自分の唇をつけた。

 

 「翔。私と付き合って」翔がうなずくと、ベティは満面の笑みを浮かべて彼と

一緒に椅子に座り、ミネストローネを食べる。シャーロットとチャーリー、背中までの黒髪で緑色のベストと茶色いスカートを着た日本人女性教師の北見早紀は小籠包を

食べながら二人を見つめていた。


 

 


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加筆版 イギリスの今と翔の成長 porksoup (ポークスープ) @porksoup

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