ベティ、ジョフとの出会い


      

 翌朝。6時に起きた翔は緑色の長袖シャツと黒のジーンズを着て1階へと下りていく。メスの黒猫レモンがソファーに座ってあくびをしていた。

 「おはよう翔」「おはよう父さん、母さん、レモン」翔はジャック、マリアンと焼いたパンやフルーツサラダを食べ、ブライト家とラッセル家に行くこととロンドン内の学校について聞く。

「ブライト家とラッセル家にはベティ、ジョフという8歳の子がいて、クリスマスには一緒に過ごす。二人はお前が日本から来たことを知ってるぞ」とジャックが翔の肩を軽くたたく。

 「あなたやベティたちが通う学校には日本やアメリカなど30か国から来る人が一緒に勉強する学校よ。古い時計塔が校舎で、ベージュと白の制服にも描かれているの」とマリアンが言った。


3人は肉屋や楽器店を通り過ぎ、温水プールつきで2階建てのラッセル家に向かった。「こんにちはラッセルさん。マリアン・クラークです」ドアが開き、ジョフの父アーノルドと母ローズが出てきた。

 「アーノルドさん、ローズさん。翔・クラークです」「よろしく翔。ジョフは2階にいるぞ」翔は階段を上がり、ノックをしてから2階に入った。茶色い髪と青い目を持つ少年が、ゴールデンレトリーバーの毛を紺のタオルで拭いている。

 肩をたたくと「翔。はじめまして。俺はジョフ・ラッセル。好物はみそ汁」と言って嬉しそうな笑みを見せ、ゴールデンレトリーバーのキャリーが翔の顔をなめた。


 

 翔とジョフは緑と紺のダウンコートを着てジャックと一緒にブライト家に向かった。庭にはラベンダーの花が植えられ、室内では40代で金髪の女性が手袋を編んでいる。

 「ブライトさん、こんにちは。ジャックです」ドアが開き、女性と薄い黄色のフリースを着て黒い冬用ブーツを履いた娘のベティが出てきた。父チャーリーと同じ茶色の短い髪に薄い緑の目を持つ美人である。


 「こんにちは。シャーロット・ブライトです。娘のベティは、翔に会えることを

楽しみにしていました」ベティは翔の顔を見つめながら、顔を赤くしている。

 「こんにちは、ベティ」翔が笑みを見せると「こんにちは」と小声で言いながら

父の背中に隠れた。チャーリーは娘の頭をなで、「入ってください。クリスマスパーティーで食べる料理を作りましょう」と言ってマリアン、ローズと台所で食材を切り始めた。



 クリスマスパーティーではシャーロットとローズ、マリアンがチーズを入れたジャガイモとイチゴのクッキーを焼き、抹茶を淹れた。

 翔はマリアンが焼いたイチゴのクッキーをかじりながら、「ベージュの制服って、

16歳になってから着るの?」と二人に聞く。「うん。8歳から7年間は白い制服なの」とベティが答え、「リボンかネクタイなんだよな」とジョフが付け加えた。

 


 

 


 


 



 

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