第3話「帰路」
あれから10分ほど経過し、沙優が昇降口に現れた。
沙優「待たせちゃってごめんね!」
湊「それは全然いいけど...」
沙優「よかった!じゃあ帰ろっか!」
湊「...そうだな」
そう言いながら俺はまだ沙優が昇降口で待っていてと言った理由がわからず、そのことを考えながら昇降口を出た
そうして帰り道
沙優「...大丈夫?なんか元気ないけど」
湊「あ、いや大丈夫だよ。ちょっと考え事してただけだから。」
いかんいかん、つい考え込んでしまっていた
沙優「考え事?なになに?」
そう言って興味津々に聞いてくる沙優に思わず言葉がこぼれ落ちた
湊「昔っからそうゆうところは変わらないんだなぁ」
沙優「え?そうかな?」
湊「ああ、変わってないよ。そうやってすぐ人の隠してること、考えてることとか聞いてくるとこ」
沙優「あぅ…ごめん…」
湊「いやいや!謝ることじゃないよ、変わってないんだなぁかわいいなって思っただけだから」
沙優「え?か、かわいい?」
湊「うん、そうゆうところかわいいなって思うぞ?」
何故か動揺した様子でそうゆう沙優に俺はまたもや疑問符を浮かべていると
沙優「うぅ、湊もそうゆうところ変わってないよね」
と、そう言われてしまった
湊「そうか?俺は自分じゃわからないけど...」
沙優「うん、変わってないよ」
湊「沙優がそう言うんだったらそうなんだろうなぁ」
沙優「そうやってドキッてするようなことをさらっと言うところ...」
湊「?何か言ったか?」
何かボソッとつぶやいた気がするが...
沙優「ううん!なんでもない!」
湊「そうか、ならいいんだけど」
沙優「それより!何考え事してたの?」
湊「あ〜えっと…」
聞くべきだろうか?まあ、聞かないとわからないし、聞いてみるか
湊「…沙優がなんで昇降口で待っててっていた理由がわからなくてな、そのことについて考えてたんだ...なんで昇降口で待っててって言ったんだ?」
沙優「へ〜僕のことだったんだ〜ふ〜ん」
湊「そうだけど、どうした?」
俺は妙に機嫌が良くなった沙優にまたまた疑問符を浮かべた
沙優「いやーなんでもな〜い。え〜と、昇降口で待っててって言ったのは…その…恥ずかしかったから…」
そう言ってもじもじしだす沙優、こいつこんな情緒不安定だったか?っと心配になったが、理由を聞けたので、そうゆうことだったのかと納得した
湊「そうか、だったら明日から昇降口で待つようにするよ」
沙優「え?明日も一緒に帰るの?」
湊「ん?そのつもりだけど…もしかして嫌だったか?」
沙優「いやいや!そんなことないよ!ただちょっとびっくりしただけだから…」
よかった。これで嫌って言われていたらかなりショックだった
湊「そうか、よかった、じゃあ明日も昇降口で待ってるな!」
沙優「う、うん!ありがとう...」
そうしているうちに、家がもうそこにあった
湊「沙優の家って確かあっちだったよな」
沙優「うん、そうだよ」
湊「じゃあここでお別れだな。それじゃあまた明日な!」
沙優「うん!また明日!」
そうして沙優と別れた俺は帰路を辿りながら
湊「......なんか忘れてるような...なんだっけ?」
そんなことを考えたが、すぐ「まあいいか」と考えるのをやめた。
まさかこの後、あんなことが起きるなんて、考えることをやめた今の俺には知る由もなかった。
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