エピソード1 メルス流壱ノ型業焔斬
前世、祖父の道場を継いで師範にまで上り詰めた男性が居た。彼は世界中の誰もが知るほどの有名な現代版サムライだったが
・・・・・・・・
あの日から15年後、エスカ王国主催の闘剣祭が行われていた。
その場に出場している15歳の最年少が、前世の記憶を持ったまま転生したメルス・ウェールだ。
「さぁ‼やってきましたぁぁぁぁっぁぁあ!第256回、闘剣祭をぉぉぉぉ、これよりはじめまぁす‼今回は最年少の15歳がまぎれているそうですよぉぉぉ????どこかな?」
司会席をよく見ると13歳ぐらいの少女だった、肌が透き通るぐらいに綺麗で見とれてしまったがなぜか楽気な声色に反して顔色がこわばっていた。少女の後ろに何か居るのかと思い、逸らすと男性2人が少女の太股に手を当てて揉み遊んでいたのが見えた。
「――なるほど、痴漢もしくは・・・」
顎に手を当てて考えていると、ゴングが鳴り響いた事に気が付かなかった。
「闘剣祭、開始ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃい!!!!!」
その合図と共に、メルスに目を付けていた参加者全員がこちらに突っ込んで来た。
「やっちまえ!」
「子供を虐めるって、タノヒィィ‼」
うん、異常者集団だな。じゃあ、容赦はしない。目の色が黒から蒼に変わると、帯剣していた2本の剣を一斉に抜くと「メルス流剣術、――蒼龍斬‼」と言いながらその場で舞を踊るかのような素早い動作で
「安心しろ・・・
・・・・・・・・
舞台にいた356名の参加者が、たった1人の15歳の少年に斬られて動けなくなっている光景を見た少女やその後ろに居た男性達は驚愕していた。
「あ、有り得ない・・・⁉」
「たった1人で、だとぅ⁈」
「・・・凄い・・・」
黒色の髪先から血が流れ落ちている光景の中、観客たちは少年をただ茫然と眺めていることしか出来なかった。
「――おい、司会の少女。聞こえるか?俺はお前のその顔色が嫌いだ、だからここで俺に助けを求めろ。それまで、俺はここに立ち続ける」
司会席に居た少女は男性2人よりも大きな声で「・・・――私をここから、自由にして‼」と叫んだ。しかし、それをかき消すかのように男性2人が帯剣したまま「「俺達が、最後の敵だ!少年よ、俺達と戦え‼」」と言って舞台上にやって来た。
「――フッ・・・、なンだよ。言えるじゃねぇか、・・・アンタのその願い。俺が聞き入れた・・・!」
メルスは血が付いた剣を地面に向けて振り払うと同時に迫って来る男性達に
「――ナ、グファぁぁあ‼‼」
「あ、熱い!熱いヴォぉ‼‼」
燃え残った脚の骨が地面に立って居るだけで、他は何もなかった。
「俺はメルス・ウェールだ、俺に文句があるなら言ってみろ。地獄送りという慈悲をあげよう」
伝説になるために奮闘していた剣士は、異世界に新たな伝説を生む! @12{アイニ} @savior1of2hero
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