第8話

 日本は内戦しているし、ぼくは世界中のお金と女を手に入れたけど、なかなか平和にはならない。

 今度は、サントロという敵が襲ってきた。

 風音が説明する。

「音速を超えて爆発するのがニトロ。サントロは、光速を超えて爆発するという噂だよ」

 なるほど。かなり強いんだな、こいつは。

 サントロがいった。

「おまえか、さっき、地球を守って戦っていたやつは。面白そうだから、腕試しに来たぞ。まあ、星を兵站する敵ぐらいおれでも勝てるんだが」

 そういって、サントロは、ビッグバンを起こさなかった一点、凍りついた一点を袋からとり出して投げてきた。

 この凍りついた一点は、サントロの作ったゼロ次元の宇宙で、星やブラックホールよりも重い質量をもっている。質量ゼロにして、無限大の質量の持ち主なのだ。

 ゼロ次元の宇宙がぼくに当たり、跳ね返される。サントロは、ぎょっとした目をする。

 ゼロ次元の宇宙も、ぼくより弱くなるのだ。

「こいつはやべえ」

 サントロはさっさと走って逃げて行った。敵わないと悟ったのだ。

「あきらめの早いやつだな」

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