第2話 アレクサンドロス大王の征服
紀元前356年、アレクサンドロス三世はマケドニアの王子として生まれた。紀元前338年、アレクサンドロス三世は、父の戦いに参戦した。初陣である。そこで、アレクサンドロスはおおいに敵を霍乱させ、戦い、勝利に貢献した。その戦いで、父、マケドニア王はギリシャの覇権を手にしたけれど、紀元前336年に暗殺されてしまう。
そして、二十歳にして、紀元前336年、アレクサンドロス大王は即位した。ギリシャの覇権をとり戻したアレクサンドロスは、二年後、西に遠征に出かける。
グラニコス川の戦いにおいて、アレクサンドロス率いる34000人の兵と、ペルシャ軍4万人の戦いだった。
この戦いにおいて、川をはさんで向かい合った両軍は、マケドニア軍の方から川を渡って突撃した。
アレクサンドロス大王も、突撃に参加し、みずから、敵将の一人ミトリダテスを投げ槍で打ち殺した。
「おい、王様が自分で敵将をやっつけたぞ」
「ああ、おれも見た。王様は自分で敵将をやっつけた。あの王様の勇気と実力は本物だ」
「負けてられねえ。おれも敵兵をやっつけてくるぞ」
「がんばれ。敵将といわずとも、雑兵の一人でもやっつけてやれ」
「おおとも。王様に、負けるなんて、おれはなんか悔しくて申し訳がねえ」
マケドニアの突撃で、ペルシャ軍の精鋭といえる騎兵が壊滅し、アレクサンドロスは大勝利した。
一年後、マケドニア軍は、ペルシャ王ダレイオス三世みずからが率いる十万の兵に遭遇する。アレクサンドロスが突撃の命令をくだすと、マケドニア軍の士気は高く、ペルシャ軍10万人を軽く蹴散らした。
アレクサンドロスは進軍することをやめず、一年後、エジプトへ攻め込む。エジプト軍は、簡単に負け、エジプト人はアレクサンドロス大王を解放者として、好意的に向かい入れた。
エジプトを平定したアレクサンドロスは、紀元前331年、再び、ペルシャに攻め込み、何倍の兵を率いるペルシャ王ダレイオス三世の軍を蹴散らす。ペルシャ王国は滅亡した。
アレクサンドロスは中央アジア、インドまで攻め込んだ。軍を三分割して、残党を征圧したアレクサンドロスは、バビロニアに帰還した。
そして、
「最強の者が王を継承せよ」
と遺言して、病没してしまう。世襲を認めなかったアレクサンドロスの遺言により、大王国は分裂し、また、拡散した。
アレクサンドロス大王は生涯、負けなしであったと思われ、その遠征は、一人の有能な大将が勝ちつづけた時、どのくらいの領土を手に入れられるかを示している。
アレクサンドロス大王の領土が、一人の将軍の征服できる限界値なのだと思う。
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