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彼とのことは、とても簡単に進んだ。
彼は、わたしに従順。わたしも、彼に、みっちり張り付いてる。
「どこか行くところは?」
「ないよ。どこも。わたし、行くところも帰るところもないの」
「記憶喪失?」
「ううん。記憶はあるよ。でも、帰る場所がない」
「なんか、切ないな」
「なにが?」
物心ついたときから、ずっとこうだし。切ないというのが分からない。
「俺の部屋に来るか?」
「行く」
彼のこと。ひとめぼれした、けど。
気になることがある。
わたしになくて、彼にはある。
なんていえばいいんだろう。
心の、闇、みたいな。なんか、そういうのを感じる気がする。分かんないけど。
その、暗い部分に。ふれたい。さわって、癒してあげたい。でも、まだ出逢って繋がってから、ほとんど時間が経ってないし。わたしも、初めてのことだし。わからない。わからないだらけ。
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