第13話

だが。

一緒にジェットコースターに乗ったあと、

観覧車に乗ろうとしたときだった。受付前で

藤島くんが鬼の形相で俺らの仲を割って入った。


「誰だよおまえ、なんで、俺のヒナタちゃんと手いっしょにいる!?」


「あ、藤島くん、そういえばこのテーマパークでバイトしてるんだったよね?バイト前?

出勤途中なら早く行かなきゃだよ?てか、やだ。

見られちゃったんだ。彼氏といるところ」


「な、こいつが彼氏!?ただの友達じゃなくてか!?」


「どーせ、マスクの下の変な顔を隠してんだろ...!」




俺はマスクを強引に剥ぎ取られた。


「な...!?」


藤島くんは尻もちをついた。


いっとくけど。別に俺が突き飛ばしたわけじゃない。


藤島くんが勝手に後ろに退いただけ。


「か、かっけぇ...!!」


それだけ言うと。

藤島くんは逃げるようにファストフード店裏口に消えた。

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