第3話

ただ立っているだけで。

こんな居心地の悪いのは初めてだった。

食堂の古株と思しきおばちゃんに心配された。


「なんだい、空いているところに早く座って食べればいいじゃないか?どうしたんだい、ずっと立ち尽くしていて...」


まさか言えない。


現状、空いてる席、二席とも

インキャぼっちにはハードルが高い席だと。


そもそも論として、おばちゃんに

インキャぼっちなんて単語を使ったところで

理解してもらえないだろう。


見たところ、図太い感じのおばちゃん。

これは俺の勝手な偏見だが。

SAで女子トイレが混んでいたら、

特に何も考えることなく、男子トイレに凸するような勢いを持ったおばさんだった。そんな訳で、俺の苦境を腹を割って話して聞かせたところで到底理解してもらえそうにない。

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