風さえ吹けばなんとかなる

 人類が絶滅するほどの猛暑のなか、南海トラフの地震も迫り、いよいよ世紀末感が増す中、私は真っ白な原稿用紙を前に、絶望しているのでした。

 どのような災害よりも恐ろしいものなのでした。


 私と芦原瑞祥で出している同人誌「稲麻竹葦」。次号、稲麻竹葦のテーマは「遣唐使」なのだが、いかんせん巨大すぎる話題だ。どう書けばいいのか。まだこの8月になっても掴みきれていない。キーボードがぶっ壊れるまで、叩き続けないと、このままでは「新刊、落としました!」になる。

 間違いない。


 仕事は再就職して、楽しく日々を過ごしているし、文フリ大阪の代表になったので、何かと忙しいけれども、心が病んで友達を泥棒と思い込むほどにストレスはたまっておらず、むしろストレスがなさ過ぎて申し訳なさすら覚えている。


 しかし、どうにもならないのがこの猛暑だ。

 一番の問題は風の温度だ。ハッキリ言って、太陽光線が熱いのではなく、海から吹いてくる風がめちゃくちゃ暖かい。この暖かい風が問題なのだ。これが冷たいだけで全然温度感は違う。太陽光線はそんなに熱くないのだ。問題は風である。

 どうして風がこんなに生暖かくなるのか。

 たぶん、海の表面温度が冷たくないので、海から冷たい風が吹き込んで来ないからだろう。雨が降れば、ちょっとは冷たくなるかもだけれども。

 蚊も蝉も、それから天敵のGも、大阪の一番暑い所では生きていけないように思う。暑すぎて、生物が生きていける環境になっていない。気が付かないうちに、大阪で絶滅した生物もいるのではないか。


 今日はたまたま冷たい風が吹いていた。海に、雨が降り注いで、温度を下げてくれたおかげかもしれない。雨よ、もっと海で降れ。陸地でもついでに降ってくれ。

 この暑さ、もう温暖化問題を、「やれやれ、環境活動家が……」とかいってバカに出来ない状況だし、いったい、来年まで人類は継続しているのだろうか。カクヨムや文フリは、暑さに耐えて、元気に開催できるのだろうか。不安になるくらいの、状況だ。


 しかし、一番の不安は、ちゃんと同人誌を発刊できるかどうかである。

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