第28話 ひと安心


次の日。

二人は、がんばって早起きして、マグノーリエさんのお家に行きました。

そこにはちょうど、丘の上のお家のみなさんがそろっていました。

出発しゅっぱつするところに、間に合ったようです。

「二人とも! 来てくれたんだね!」

 ノイさんが、二人を見つけて手をふってくれました。

「しっかりわたすからね。安心してね」

 ニソロさんが笑顔で言いました。

「ありがとうございます」

 二人はぺこりとお辞儀じぎをしたあと、ちょっと顔を見合わせてから、

「……ステージ、がんばってください」

「がんばってください」

 小さく、そうけくわえました。

 みんな大きな笑顔えがおを浮かべて「もちろん!」と言いました。

 手をふる彼らに、二人も手をふってお見送りしました。

 家に帰ると、朝なのに、どっと眠気ねむけが二人をおそいました。

「……やっと終わったね」

「うん」

 二人は、ソファーに寝転ねころがると、またすうすうとねむってしまいました。

 くっつき合って。

 ひと安心、と言ったように。

 何だかようやく、身体の力をぬくことが出来たように。

 そんな風に、二人はぐっすり二度寝にどねしました。

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