第17話 ガラスドームとマドレーヌ
「わあ……」
「ね、きれいでしょ?」
ドームからは、森を見わたすことが出来ました。
葉っぱの色が変わりつつある、秋の森。
「
クラムさんが、ガラスドームの一部をパカリと外側に
すると、さわさわとすずやかな秋の風が入って来ました。
空はどこまで
「……」
ノイの
マニャも、お鼻をひくひくと動かして、秋の匂いを味わいました。
そこに、ふわりと
そう、マドレーヌの香りです。
「さ、食べよう!」
「
にっこりとクラムさんが
「そうそう。クラムくんのお
「あ、やけどしないように、ふーふーしてからね」
ニソロさんとノイさんも、にこにこ
こちらはすでにマドレーヌのをほおばっていました。
「い、いただきます」
「いただきます」
二人も、パクッとマドレーヌにかぶりついて、
「!」
「おいしい!」
ぱああ、と目をかがやかせました。
黒目が、くるんと大きくなります。
マドレーヌの表面、きつね色のところはカリカリで、けれど中はふかふかでした。
「よかった」
「たんと食べなね」
しばらくは、二人が
「ところで、マニャちゃんとノイちゃんは、マグノーさんのおつかいで来たと言っていたけれど」
「はい」
二人は、あのあとすぐに
ノイさんは、ノイが自分と同じ名前だと知ると、とても
それから、そっとノイの頭をなでました。
ノイは
ノイさんは今も、マドレーヌをほおばるノイを優しい
ちなみにノイさんは、やっぱりヤモリ人ではありませんでした。
モモリ人という、ちょっと変わった
「
とのことでした。
「そのたのみごとって、もとはマハルさんやシンさんとも
マニャは、自己しょうかいの時に、お父さんとお母さんのことも言いました。
「はい。えっと、実は……」
マニャが、たどたどしく
つまっても
だから、マニャの
「なので、えっと」
けれど、きちんとお
横で、ノイもあわててマドレーヌを飲み込むと、同じようにシャンと背筋を伸ばします。
「どうか、ジャーダさんの衣しょうも、いっしょに持っていって下さい。おねがいします」
「おねがいします」
そして、二人同時にぺこりと頭を下げました。
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