第10話 ディリノーさんの勘
「あれ?
ディリノーさんが
メモには、だいだい色の布が一枚、さくら色の布が三枚、と書いてあります。
けれど、ディリノーさんが持ってきた布は五枚で、メモに無い
どの布もうつくしく、ハッと息をのむほどに
いつだったか、
「これは、おまけです」
「おまけ?」
「はい。めずらしい
ディリノーさんが、にっこりほほ笑みます。
「ああきっと、マグノーさんにおわたしするのがいいのだろうなあって」
だから、これも持っていってくださいネ。
ディリノーさんはそう言って、
「
「はい。だいじょうぶだと思います」
マニャがうなずきました。
「すみません。お送りしたいのですが、お二人と話していて、布のことだけでなく、絵の方でもビビッと来るものがあったのです。それを今、形にしたいのです」
たしかにディリノーさんは、先ほどからうずうずと
マニャとノイは、二人だけでマグノーさんの家まで
もともと、二人きりの方が気楽だと思っているので、むしろ少しだけ、ホッとしているのでした。
ディリノーさんは、
ノイは、今度はマニャの後ろではなく、ぴったりと横について、ディリノーさんを見上げています。
「きっとね、今日のお二人の
「はあ……」
「まあ、ただの
ディリノーさんは、そう言うと片目をつむりました。
二人が森に入ってしばらくすると、ぽんぽんっという、花火を打ち上げた音を小さくしたような音がしました。
何だろう、と顔を見合わせながら、二人は元来た道を
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