第86話 鬼畜エーリヒ・ケーニスマルク

「お兄様! もっと!!」


「仕方ない子だなぁ イルゼ…僕達は兄妹だよ?」


「そんなの関係ありません! お兄様じゃないと! 他の男はへたくそだから!」


「仕方ない子だ。ほら!!」


兄に抱かれて嬌声をあげるケーニスマルク家の娘イルゼ…彼女は兄のおもちゃになっていた。


「明日もお願いします! お兄様!」


「わかったよ。可愛い妹の為だ…」


妹のイルゼが服を身に付けて、部屋を出て行くと、兄のエーリヒは、


「雌豚が……」


自身の妹を雌豚扱い…彼はリーゼのかつての婚約者だった。この男の性欲には歯止めがない。自身の妹さえ、その毒牙にかけている位だ。


「それにしても、リーゼを抱けなかったのが心残りだったな…」


彼はリーゼを賊に襲わせて、人質とし、彼女の命を盾にリーゼの父親グリュックスブルクに一通の手紙を書かせた。そこにはサインと半分の文章のみを書かせて、残りの文は魔法で偽造した。半分は本物なので、簡単に偽造はバレない。


そして、その手紙こそがグリュックスブルク家が麻薬密売に関わった動かぬ証拠となり、リーゼの家は処罰されて、お取り潰しになり、家族は全員処刑された。


「性奴隷となったところまでは上手くいっていたものを…シュタルンベルクの宝石をおもちゃにできるチャンスを失うとは、僕も運が悪い。まあ、売り飛ばしたヤツは四肢を全部斬り落としてやったけど、今頃は壺の中で反省している事だろう」


彼はリーゼを性奴隷に落とし、自身が所有しようと思っていた。だが、彼女は間違いで、他の奴隷商に売り飛ばされて、行方知れずだ。売り飛ばした男は金に目が眩んで、リーゼを売り飛ばし、因果応報はエーリヒの言う通りだ。


「イルゼだけでは物足らないな。僕、優しいから、妹にはつい自分の性癖を抑えるところがあって、まあ、少しずつならせばいいか……イルゼもあと一年もすれば躾けが終わる」


エーリヒは妹と関係を結んでいるだけでなく、たくさんの女性と関係を結んでいた。だが、彼の本当の性癖を発現する事はあまりなかった。流石に自分の性癖が社会に拡散すると自身の魅力につながる。新しい女ができなくなる事は彼にとっても得策ではなかった。だが、彼の性癖を押さえ続ける事なでできる筈も無く、その為、彼は3人の性奴隷を所有していた。


「今日は、サシャでも使うか…用意させよう」


エーリヒは使用人に伝え、サシャを用意させた。布面積の少ない下着同然、その下着も大事な部分を隠しきれていない。恥じらうサシャにエーリヒの嗜虐心に火がつく。


「さあ、今日もサシャを味合わせてもらうよ、今日は特別たっぷりと可愛がってあげる」


サシャはエーリヒのお気に入りだ。金銀ブロンドのエルフでリーゼに似ていて、そうエーリヒは彼女をリーゼの代用として使っていたのだ。


「エ、エーリヒ様…今日はお許し頂く事はできないでしょうか? 私、今日は調子が悪く…」


「駄目だな、お前は馬鹿か? そんな理由で僕の楽しみを奪う事ができる訳がないだろう?」


エーリヒは無慈悲な男だった。サシャは本当に体調が悪く、微熱も出ていた。しかし、容赦という事を知らないこの男は構わず、サシャを抱いた。


「まあ、用意は十分だな?」


「…は、はい」


エーリヒに弄ばれたサシャは羞恥で頬を染める。彼女は実は元男爵家の令嬢であり、本来性奴隷になる筈はなかった、だがエーリヒに見初められたサシャはあくどい手で性奴隷に落とされてしまった。実家はわかってはいたが、ケーニスマルク家の威光が怖くて何も言えない。


「さあ、今日は次のステップに行こう。自分から腰を落として…」


この男は鬼畜だ。サシャは性に対する強い恥じらいを持っている。だからこそ、彼女を痛めつける。恥じらう彼女にエーリヒは自ら行えと命じた。サシャの恥辱は言うまでもない。


「ひっ! ひっ、ひくっ! ああっ!」


サシャは泣きながらエーリヒの命令に従った。プライドの高かった彼女…その彼女を貶めるのはエーリヒにとっては至福の時だ。


「腰の動きが甘かっただろうがぁ!! わかっているよなぁ!」


ペチン、ペチンとサシャの尻を叩くエーリヒ…もちろん、サシャにとって耐えがたい屈辱だ。


「は、はい、エーリヒ様、覚悟はできております…」


エーリヒは言いがかりをつけて、サシャを罵り、尻を叩く、もちろん、言いがかりな事はサシャも重々承知しているが、反論などしない。そんな事をしても無駄なのだ、どちらにしても彼女に待っているのは…


「怠慢は良くないよ、僕が躾けてあげよう、そうすれば、同じ間違いをしないからなぁ~」


興奮したのか、言葉尻が歪んだ声になる。


「さあ、顔をあげて、僕が躾けやすいようにね」


「はい、エーリヒ様」


サシャが美しい顔をあげると、エーリヒの口角がニッと歪む、そして


バシッ、バシッ、グシャ、グシャ、グシャ、バキン、ボキン


エーリヒが美しいサシャの顔を何の遠慮も無く殴る。そして、段々加熱していき、サシャの唇が切れ、血が飛び…それを見たエーリヒの嗜虐心に更に火が付き!


バキッ! バキッ!! グチャ!!!


遂にはサシャの歯が欠け、血が飛び散り、眼球が破裂した。


「これでわかったろう? 怠慢するとこういう目に遇うんだよ。今度はきちんとするんだよ。治療は受けさせてあげるからね、僕は優しいから」


「は、はひぃ…あ、ありがとうございます」


折角のサシャの美貌も歯が欠け、眼球がつぶれてしまって、見る影もない。治癒の魔法で直ぐに治りはするが、治癒の魔法も完全ではない。サシャの左目は既に視力を失っていた。


エーリヒ…最低のDV男は意気揚々といった気分でシャワールームに向かった。

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