7/22 進捗、雑感

久方ぶりに短編をやっている。今のところ構想程度だが、粗々想像ができて悪くはない程度の塊が現れつつある。

2つアイディアがあって、当初考えていたものは破棄し、プランBに移行したのだが、とあるオマージュも入りそうなイメージになっている。書いた僕はもちろんだけれど、恐らく提出先もわかってくれるはずだ。

オマージュ元の完成度が異様に高く、昨年読んだ時には具合が悪くなりかけたのだが、やっとそれを飲み込めるようになったらしい。こういうことは往々にしてある。なので読み切れていないテスカトリポカ(佐藤究)も最後まで読むとまずもってあてられるのだろうなと思っている。

面白い小説は必ずしも冒頭から面白いわけでないが、パワフルな小説は冒頭から最後までパワフルであることは間違いない。穏やかな文章やシーンで書き出したとしても、その牙や爪は自然と匂い立つ。理念は言葉に現れる。書く意味が、書かれるべき必然性が、自ずと立体化している。

「作家は書かなければ死ぬものでない」という人がいる。ならばもっと楽な生き方を選べばいいのにな、とひとり苦笑した。僕の中には無限に書かれるべきことが意識されているし、世界に目を向ければ無数に転がっている。常に追われている。書かねば生きられないのだから業(のひとつ)とした。あるいはごうでもあろう。

小説も物語も、万人には必要ないのかもしれない。現に『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』でG.キングスレイ.ウォードはよい年になればビジネス書を読み、空想に耽るのはやめるべきだ、という趣旨の文章を記している。そういう人間もいるだろうな、と思う。価値観が違うだけだ。

けれど、もし「書かなければ死ぬわけでない」のであれば、ウォードの類であろう。

であれば、作家である必然性はきっと、ない。

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