煙草遍歴2

煙草遍歴の続き。

記憶強めなのはキャスター。他はシンプルにレビューとなってしまっている……堪忍!


■キャスター(ウィンストン・キャスター・ホワイト・5)


 タール5mg。バニラの香りが強く口当たりもいい。

 なぜかボックスのほうが味も香りもしっかりして美味い気がする。3mgはちょっと軽くて吸った感じがしない。

 ピースが520円ぐらいになり(確かそれぐらい)、キャスターはちょうど500円だったのでキリがいいやと思って一時期こればかり吸っていた。2年ほど前の話になる。

 

 出会いは本当に適当で、多摩センターの旧キング(パチ屋)跡に入ったセブンで何とはなしに買った。散歩に来ていたときで、新しい煙草を吸ってみようかなという感じだった。

 当時一人暮らしのフリーランスだったので、しばしば深夜に出歩いたものだった。だからキャスターの香りは多摩地域の景観と紐付いている。

 街灯の少ない、鬱蒼と木々が覆う遊歩道の中、目に映る赤い光。

 あるいは静まり返った団地。ところどころには広場があって、一階は生活必需品を売る店や酒屋があるけれどシャッターが締まりきっている。たまに例外的なぼんやりと灯りのついた花屋、肩をすくめるような寒風。高架から眺める多摩モノレール。誰もいないある土地の記憶として。

 

 そんなに強くない煙草なので、女性が吸っているのが想像できる感じがある。

 白いパッケージに白いフィルターの煙草なので、赤い口紅がついていると映える、ような幻想を思い浮かべる。そんな感じ。



■アークロイヤル・パラダイスティー


 6mg。ウルグアイの煙草。ピースの香りに比べてすごくわかりやすい紅茶。いい感じにレモンティー。

 アークロイヤルは香りだけでも楽しめる煙草で、あまり吸わないという人でも一度はご賞味あれ、という感じ。ただ強すぎて苦手な人もいるとか。


 とあるパーティでイラストレーターさんが吸っていて、いけるやんとなったのがきっかけ。

 コンビニではまずお目にかかれず、専門店にしかない。僕は南大沢のTABACsでよく買っていた。あとは新宿。

 華やかでリラックスというか、ご褒美煙草として吸いがち。締め切りから開放された時だとか、原稿直しの本当に最後のほうで吸っていた。


 露骨な煙草という感じではないのでおしゃれな人が似合う気がする。アーティスティックな人だとか。実際イラストレーターさんが吸っていらっしゃった。赤いダッフルコート、似合ってたなあ。元気にしておいでだろうか。



■アークロイヤル・ワイルドカート


 9mg。上記の別バージョン。ロングぐらいの長さだが、価格はかつて500円(現在540円)でキャスターと同じ。満足感はかなりある。やや甘さもあるが、コーヒーの香りがくっきりとしていた印象。最近は手に入れづらく(これもまた専門店にしか売っていない)あまり吸えていない。

 パラダイスティーを買った後に気になって試したところドハマりした。


 なぜだかThe Last of usのマルチプレイをやっている時によく吸っていた。あとは読書に最適。長いこととアロマ感があるため。読みにくい学術書のお供。


 パラダイスティーは違ってややアウトロー感があるが、やはりこだわりが強いひとの煙草かなという感じがする。結局コンビニに売っていない以上わざわざ見つけてくるわけだから。ガンマンとか暗殺者の類が吸っているとかっこいい気がする。でも匂い特徴的だから見つかっちゃうよなあ。うーん。

 ともあれ本当においしいので喫煙者で試していない方はぜひ。

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